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Chapter 7:名前解決方法の選択 〜最適な名前解決方法の探索〜

名前解決方法の選択 〜最適な名前解決方法の探索〜

 前回まで,Windows 2000で使用可能な名前解決方法について解説してきた。ここでは,Windows 2000で採用すべき最適な名前解決方法について説明する。Windows NT 4.0までのWindowsネットワークでは,NetBIOSを使用して名前を解決していた。Windows 2000でもNetBIOSを使用することはできる。しかし,Windows 2000のActive Directoryは,NetBIOSではなく,DNSを名前解決に使用する。そのため,Windows 2000を導入してActive Directoryを使用するためには,DNSが必須となる。つまり,Active Directory環境では,次の2つの名前解決方法が存在することになる。

  • NetBIOS
  • DNS

 NetBIOSは,従来のWindowsネットワークで使用されてきたアプリケーションインタフェースであり,ファイル共有やプリンタ共有などで現在も使用されている技術である。DNSは,TCP/IPアプリケーションの名前解決に使用されており,インターネットなどでも使用されている一般的な技術である。NetBIOSもDNSも名前を解決するサービスを提供しているが,お互いに関係があるわけではない。NetBIOSはNetBIOSインタフェースを用いるアプリケーションで使用され,名前空間はフラットである。これに対してDNSは,TCP/IPアプリケーションの名前解決で用いられ,名前空間はルートを起点としたツリー構造である。2つの名前解決技術は,それぞれ異なる名前空間を使用して名前を解決しているため,これらは互いに独立しているのである。

 ここではまず,Windows 2000を導入したときにNetBIOSを使用すべきか否かを説明したあと,NetBIOSを使用した場合の問題点と,使用しなかった場合の問題点について解説する。その次に,Active Directoryを導入する場合に必須となる,DNSの展開方法について述べる。

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