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Chapter 7:名前解決方法の選択 〜最適な名前解決方法の探索〜

7.1.3 NetBIOSを使用しない場合の問題点
 NetBIOSを使用しない場合というのは,Windows 2000でActive Directoryドメインを構築し,すべてのクライアントがActive Directoryに対応している場合である。Active Directoryのドメインコントローラがネイティブモードに移行している必要は特にないが,クライアントがすべてActive Directoryに対応しているのであれば,ネイティブモードに移行するのが普通である。もし,Active Directoryに対応していないクライアントが存在するのにNetBIOSを使用しないように設定すると,そのクライアントはファイル共有やプリンタ共有を利用することも提供することもできなくなってしまう。そのため,Active Directoryに対応しているクライアントが存在する限り,NetBIOSを無効にすることはできない。

 では,すべてのクライアントがActive Directoryに対応している場合は,NetBIOSを使用する必要がないのであろうか。

 これまで,Windowsネットワークを使用してきた人は,peer to peerの通信に慣れているだろう。Windowsネットワークでは,ファイル共有サービスやプリンタ共有サービスを提供しているサーバーが,個人のクライアントコンピュータであることも珍しくはない。たとえば,Windows 95やWindows 98などにファイル共有サービスを導入し,共有フォルダを作成している場合は,その一例である。しかし,Active Directory環境では,基本的にディレクトリに登録しない限り,他人はそのオブジェクトを検索することができない。したがって,従来の環境と同様に,ネットワーク上で手軽にファイルやプリンタを共有するためには,NetBIOSが有効になっていなければならない。NetBIOSを無効にしてしまうと,オブジェクトの探索方法やネットワークに対するリソースの公開方法が従来のWindowsネットワークとは異なってくるため,利用者によっては戸惑ったり不便に感じたりすることも多いだろう。

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