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Chapter 7：名前解決方法の選択 〜最適な名前解決方法の探索〜
7.1.2 NetBIOSを使用した場合の問題点
Windows 2000をインストールした状態では，NetBIOSは有効になっている。通常はNetBIOSを使用するのが一般的であると仮定されているためである。NetBIOSを使用した場合に問題になると予測されるのは，(1) NetBIOSが基本的にブロードキャストを使用して名前を解決するためにネットワークトラフィックが増加すること，(2) 名前解決に問題が発生した場合に問題点の切り分けが複雑化すること，などである。
特に問題となる可能性が高いのは，(1) で示したネットワークトラフィックの増加であろう。Windows 2000にActive Directoryを導入した場合，DNS，LDAP，Kerberosのパケットが相当数流れることを，前回の記事でも紹介した。総じて見ると，これらのパケットの総数は，従来のWindowsネットワークで流れていたパケットの数と比べて数倍程度に増加しているようである。
とはいえ，DNSの照会に使用されるパケットはクライアント側にもキャッシュされるため，さほどネットワークの負荷になるとは思えない。従来のWindowsネットワークでも，WebブラウザなどのTCP/IPアプリケーションを使用していたのであれば，DNSの照会パケットは流れていたはずであるし，Windows 2000ではクライアント側のキャッシュがシステムワイドに行われるように改善されている（DNSクライアントの機能については，Chapter 8で解説する予定である）。
また，LDAPのパケットは，Active Directoryの構造に応じて，発生するパケット量が変化する。Active Directoryの構造がシンプルであれば，パケット量は少なくなるが，OUの階層が深いなど構造が複雑であれば，LDAPのパケットも増加する。
以上のように，Active Directory環境にNetBIOSを導入する場合は，Active Directoryのパケットに加えて，さらにNetBIOSのパケットが流れることになり，ネットワークの混雑が発生するおそれもある。
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