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Check point 6...
ターミナルサービスとリモート管理

 Windows NT Server 4.0, Terminal Server Editionで提供されているターミナルサービスは,クライアントのデスクトップ環境とアプリケーション実行環境をサーバー側で集中管理するためのソリューションである。このような仕組み自体は,UNIXのX Windowシステムやオフィスコンピュータなどでは,すでにおなじみのものとなっている。

Fig.6-1 ターミナルサービスの概念図
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 ターミナルサービスクライアントは,サーバー側に存在するデスクトップ環境やアプリケーション実行環境へとリモートアクセスし,サーバー側の処理結果を受け取って表示する。つまり,ターミナルサービスクライアントは,ユーザーのキー入力やマウス操作をターミナルサーバーに伝え,サーバー側の実行結果を受け取って画面上に再現するだけの役割しか持たない。そのため,ターミナルサービスを用いると,(1) クライアント側のハードウェア性能は最低限でよい,(2) サーバー側ですべての設定を集中管理することができる,(3) 相対的にネットワークトラフィックが小さくてすむ,(4) どの環境からアクセスした場合も同じユーザー環境を再現できる,といったメリットを享受できるようになる。

Fig.6-2 ターミナルサービスクライアントによるリモート管理(クリックで拡大可能)
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 Windows 2000 Serverには,オペレーティングシステムに標準でターミナルサービスが収録されている。したがって,Windows 2000 Serverファミリのどれかを購入すれば,必要に応じてターミナルサービスを導入し,上記したようなシステムを構築することができる。

注意 Windows 2000 Serverファミリには,ターミナルサービスが添付されているものの,運用形態によっては「ターミナルサービスクライアントアクセスライセンス」と呼ばれる専用のクライアントアクセスライセンスが必要となる。もし,管理者のリモート管理だけに限定してターミナルサービスを利用するのであれば,「リモート管理モード」を選択することになるので,ターミナルサービスクライアントアクセスライセンスを新たに購入する必要はない。しかし,Windows NT Server 4.0, Terminal Server Editionと同様に,複数のユーザーでターミナルサービスを利用するのであれば,「アプリケーションサーバーモード」を選択することになり,ターミナルサービスクライアントアクセスライセンス(またはWindows 2000 Professionalライセンス)とWindows 2000クライアントアクセスライセンスが必要となる。ライセンスについて詳しくは,「1.2.3 Windows 2000日本語版のCAL」を参照してほしい。また,ターミナルサービスの動作モードについては,本稿中で順次説明する。

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