本文中でも説明しているように,Windows 2000のターミナルサービスには,アプリケーションサーバーモードとリモート管理モードという2種類の動作モードが用意されている。ここでは,アプリケーションサーバーモードで運用した場合に,Windows NT Server 4.0, Terminal Server Editionと比べて,どのような点が強化されているのかについて説明する。
- クリップボードのリダイレクト
- ローカルコンピュータで実行されているアプリケーションと,ターミナルサーバーのリモートセッションで動作しているアプリケーションとのあいだで,クリップボードを共有できるようになっている。この機能を利用すると,ローカルアプリケーションとリモートアプリケーションとのあいだでコピー&ペーストを実現することができる。
- 移動切断のサポート
- ネットワーク障害などによって不意に通信が途絶しても,ユーザーがセッションを保持できるようにする機能である。通信が途絶しているあいだもセッションがアクティブになったままなので,ユーザーはログオンからやり直さなくても,ほかのコンピュータから,またはネットワークが修復されてから,既存のセッションに再接続できる。ただし,そのセッションを保持するためのメモリが必要になるので,多数の回線で接続している場合には注意しなければならない。
- 複数ログオンのサポート
- ユーザーは複数台のクライアントから複数のWindows 2000 Serverに同時にログオンしたり,1台のサーバーにくり返しログオンしたりすることができる。この機能を使うと,複数の作業を並行して進めたり,複数の異なるセッションを実行したりすることができる。
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