Exchange 2000徹底解剖
変貌するExchange 2000

 ところで,従来はExchangeクライアントが参照するグローバルアドレス帳(GAL)として,Exchange独自のディレクトリが使用されてきた。では,独自のディレクトリを持たないExchange 2000の場合,アドレス帳はどうなるのだろうか。実は,グローバルアドレス帳はActive Directoryのグローバルカタログに置き換わる。したがって,アドレス帳はフォレスト全体で共有される。

 ただし,グループオブジェクトを配布リストとして作成するときには,注意が必要である。グループには,ドメインローカル,ドメイングローバル,ユニバーサルという3つの有効範囲がある。このうち,メンバーの情報もすべてグローバルカタログに複製されるのは,ユニバーサルグループだけである。そのため,アドレス帳をどのように使用するのか,どのような範囲でグループを利用するのかを,あらかじめ計画しておく必要がある。

 また,従来はExchange独自のディレクトリに格納されていた情報として,構成情報がある。ここでいう構成情報とは,サーバーの構成,アドレスの設定,プロトコルの設定など,あらゆる管理情報を指す。独自のディレクトリを持たないExchange 2000の場合,これらの情報はやはりActive Directoryに格納される。上記のような構成情報や管理グループ, ルーティンググループといった情報は,Active Directoryの構成ネーミングコンテキストに登録される。

 このように,Active Directory統合に伴い,Exchange 2000にかかわる多くの情報がActive Directoryに格納されるようになる。Active Directoryに情報を格納するためには,Active Directory上に Exchange 2000に固有のスキーマが必要となる。Exchange 2000をインストールするときには,自動的にActive Directoryのスキーマが拡張されるので,心配はない。ただし,いったん拡張されたスキーマはフォレスト内で複製され,二度と元に戻すことはできないので,注意してもらいたい。

Fig.1-2 Active Directoryのスキーマ拡張
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 ところで,従来のExchangeには,独自の複製手段が用意されていた。しかし,Active Directory統合が進んだExchange 2000では,複製にもActive Directoryの機能がそのまま利用されている。すでに述べたとおり,Exchange 2000の構成情報はActive Directoryの構成ネーミングコンテキストに,Exchange 2000のメールボックスやメールアドレスが設定されている任意のオブジェクトはActive Directoryのドメインネーミングコンテキストに,それぞれ登録される。そのため,構成情報はフォレスト全体の複製リンクに従って,オブジェクトの情報はドメイン内の複製リンクに従って,それぞれ複製される。つまり,Exchange 2000に独自の複製リンクや複製スケジュールなどを設定する必要はなく,Active Directoryの複製機能に従って適切に複製されるのである。

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