Exchange 2000徹底解剖 | |
「Exchange」というと,どうしても「マイクロソフトが提供するメールシステムである」あるいは「マイクロソフトがLotus Dominoに対抗するために市場に投入したグループウェアである」と理解されている向きも多いことだろう。確かに,過去を振り返ってみると,Exchangeはメールシステムやグループウェアに相当するアプリケーションとして位置づけられてきたし,常に最大のライバルとしてLotus Notes/Dominoと比較され続けてきた。 だが,Exchange 2000は,既述したような定義では捉えきれない製品として登場する。単なるメールシステムでもなければ,単なるグループウェアでもなく,単なるナレッジマネジメント製品でもない。Exchange 2000は,
Exchange 2000は,SQL Server 2000と並んで,マイクロソフトが推進しようとしている.NETプラットフォームの中核を担う製品である。Exchangeで採用されていたESE(Extensible Storage Engine)がActive Directoryに応用されたように,今後もExchangeの基礎技術がマイクロソフトの戦略上で重要なポジションを占めてくる可能性は高い。現に,.NETプラットフォームにおける各種リポジトリは,Exchange(またはExchangeの基礎技術)を中核とするメタディレクトリに格納されるようになると思われる。 そこで本稿では,Exchange 2000という製品の等身大の実力と適正を見誤らないために,必要と思われる技術情報を提供する。いうまでもないが,本稿はExchange 2000の導入を読者にお勧めするためのものではない。各組織には,それぞれIT戦略があるはずであり,その要求仕様によってはExchange 2000が相応しいとはいえないケースもあるはずである。自社が向かうべきIT戦略の方向性とは何か,それと一致する製品はどれなのか,検討および把握するための材料としていただきたい。 |
本稿において検証してゆく主なテーマは次のとおりである。
- 変貌するExchange 2000 Server 〜一新された基本アーキテクチャ〜
- マイクロソフトがWindows 2000のキラーアプリケーションとして位置づけるExchange 2000の出荷が迫っている。Exchange 2000を単なるメールシステムとして理解してしまうと,その真価を理解することはできないと思われる。本稿では,「ユニファイドメッセージング」を目指すExchange 2000の全貌を概観する。(竹島弓理)
- 開発環境としてのExchange 2000 Server
- Exchange 2000 Serverは,メールシステムであるとともに,ワークフローアプリケーションや業務系アプリケーションの開発基盤としての側面も備えている。本稿では,開発基盤としてのExchange 2000 Serverについて,サンプルのソースコードを示しながら解説する。(大澤文孝)
- Exchange 2000 Conferencing Serverが描く次世代コラボレーションの全貌
- Exchange 2000 Conferencing Serverは,マイクロソフトが描く次世代コミニュケーションの基盤を担う,オンラインデータとビデオカンファレンシングのプラットフォームである。Exchange 2000 Conferencing Server自体は,Exchange 2000 ServerやExchange 2000 Enterprise Serverとは別の製品として提供される(製品同士の依存関係もない)。しかし,あえて同製品をExchange 2000ファミリのなかに組み込んでいるのは,音声やビデオなどのストリーミングデータやコラボレーションデータすらも,コミュニケーションデータの一環としてメールなどと同じように統合管理してゆこうとする意気込みの現れであろう。本稿では,Exchange 2000 Conferencing Serverの全貌と,その将来像を概観する。
(竹島弓理)
- Exchange 2000製品概要
- Exchange 2000の製品ラインナップはどうなっているのか。ライセンス体系は? 価格は? その製品概要を一望してみる。