インターネットアプリケーション時代の企業ネットワーク再設計
いまさら聞けない!?ネットワーク機器再入門

エンハンスドカテゴリ5のツイストペアケーブル

 ツイストペアケーブルとは,2本のケーブルを対としてよじり,2本の組を4つ,合計8本のケーブルを,1本に包み込んだものである。ツイストペアケーブルには,カテゴリ3,カテゴリ5,エンハンスドカテゴリ5の3種類があるものの,三者とも基本的な構造は同じであり,伝送保証距離は100メートルとなっている。

Fig.2-1 ツイストペアケーブル
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 10BASE-Tや100BASE-TXの通信では,ツイストペアケーブルのうち4本(2組)しか使用しない。しかし,1000BASE-Tの通信では,8本(4組)をすべて使用するため,ケーブル内のノイズが大きくなり,通信に支障を来すおそれがある。そのため,エンハンスドカテゴリ5ケーブルは,1000BASE-Tで通信できるように(8本の内部ケーブルのすべてを通信対象にできるように)内部ケーブルの材質やケーブル内のノイズシールドなどを最適化することで,1000Mbpsによる通信を保証している。本稿の執筆時点でネットワークを構築する場合,100BASE-TXであってもエンハンスドカテゴリ5のケーブルを使用することが多い。これは,将来的な1000BASE-Tへの移行を考慮するとともに,100BASE-TXの信頼性をさらに向上させるためである。

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