インターネットアプリケーション時代の企業ネットワーク再設計
いまさら聞けない!?ネットワーク機器再入門

ネットワーク機器の種類

 執筆時点におけるネットワークの構築には,ツイストペアケーブルを使用する100BASE-TXを中心に,状況次第では光ファイバを使用する1000BASE-SXなどを用いるのが一般的である。敷設されたケーブルをネットワーク機器に接続することにより,ネットワークが構築される。100BASE-TXと1000BASE-SXなど,異なる物理ネットワーク規格をコンバートする場合にも,ネットワーク機器を用いる。

 ネットワークの性能は,採用した物理ネットワーク規格だけではなく,ネットワーク機器の性能に大きく依存する。ここでは,基本となる通信機能に基づいてネットワーク機器を大別し,その機能を解説しておく。

OSIによるネットワーク機器の大別

 ネットワーク機器には,さまざまな機種が存在するが,基本となる通信機能は3種類に大別することができる。大別するときのポイントとなるのは,OSI(Open Systems Interconnection Model)の階層である。そのネットワーク機器が,OSIのどの階層に対応した通信機能を備えているのかという観点で選別できるのである。ネットワーク機器が対応するOSIの階層は,第1階層である「物理層」,第2階層である「データリンク層(CSMA/CD)」,第3階層である「ネットワーク層(IP)」である。本稿では,上述のようにOSIの階層に従って大別したネットワーク機器を,それぞれ「L1-HUB(Layer 1-HUB)」,「L2-HUB(Layer 2-HUB)」,「L3-HUB(Layer 3-HUB)」と呼ぶこととする。各々の特徴を解説していこう。

Fig.2-2 OSIの階層におけるCSMA/CDとTCP/IP(図版をクリックすると拡大可能)
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