インターネットアプリケーション時代の企業ネットワーク再設計
いまさら聞けない!?ネットワーク機器再入門

ネットワーク機器の通称とその機能

 すでに紹介したとおり,ネットワーク機器にはさまざまな機能がある。実際の製品には,製品に実装されている機能を冠した通称が用いられることも多い。このことが,かえって選択する側の混乱を招いている状況も見受けられるので,代表的な通称のうち,まだ紹介していないものについて説明しておく。

デュアルスピードハブ

 「デュアルスピード」とは,10BASE-Tと100BASE-TXという異なる規格の両方をサポートしていることを意味している。一般的にL2-HUBとL3-HUBはデュアルスピードに対応しているため,わざわざ「デュアルスピードハブ」と断っている場合には,L1-HUBを指していると考えてよいだろう。

 L1-HUBで10BASE-Tと100BASE-TXの両方をサポートする場合,10BASE-Tと100BASE-TXをコンバートするものと,コンバートしないものの2種類がある。コンバートするものにはブリッジ機能が搭載されており,ブリッジ機能が適用された通信はL1-HUBのカスケード段数の制限から解放される。ただし,ブリッジ機能が搭載されているL1-HUBのなかには,コンバートが発生した通信だけにブリッジ機能を適用し,コンバートが発生しない通信に対してはブリッジ機能を適用しないものがあるため,注意を要する。

スタッカブルハブ

 スタッカブルケーブルと呼ばれる特殊なケーブルで接続することによって,複数のネットワーク機器を1台のネットワーク機器として動作させるものである。スタッカブルケーブルは,カスケード接続することなくポート数を増加させることを目的として規格されたものである。また,スタッカブルハブがSNMPをサポートする場合,1つのIPアドレスでたくさんのポートを管理できるため,IPアドレスを節約することができる。

インテリジェンスハブ

 インテリジェンスとは,SNMP機能に対応していることを示す。一般に,L3-HUBはSNMP機能に対応しているため,わざわざインテリジェンスと断ることはないようである。SNMP機能に対応したL2-HUBは「インテリジェンススイッチングハブ」,SNMP機能に対応したL1-HUBは「インテリジェンスハブ」と呼ばれることが多い。

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