インターネットアプリケーション時代の企業ネットワーク再設計
いまさら聞けない!?ネットワーク機器再入門

小規模なネットワークのセグメント分割

 本文中で説明しているIPセグメントの分割指針は,数百ノード以上で構成される,中規模から大規模のネットワークを想定したものである。もし,ネットワーク全体で100ノードに満たないような小規模のネットワークを構築するのであれば,IPセグメントを分割する必要はないだろう。

 100ノードを超えるネットワークであれば,IPセグメントの分割が必要となる。ただし,通常IPセグメントを分割するときに利用されるL3-HUBは高価であるため,200〜300ノードのネットワークでL3-HUBを導入するのは,ややオーバースペックの感が否めない。このような場合には,Windows 2000 Serverに搭載されているルーティング機能を利用するとよいだろう。

 Windows 2000 Serverがインストールされているコンピュータに複数のネットワークアダプタを装着し,各ネットワークアダプタ間でIPルーティングを設定すれば,そのコンピュータはルータとして機能する。IPセグメントごとにWindows 2000 Serverを配置するような場面であれば,実質的にはネットワークアダプタを1つ追加するだけで,ルータ機能を実現できる。Windows 2000 Serverには,RIP(Routing Information Protocol:ルータ間で経路情報を動的に伝搬するプロトコル)も実装されているため,小規模なネットワークであれば十分実用に耐え得るだろう。詳しくは,以前掲載されたRRASの記事を参照していただきたい。

 なお,ルーティング機能やRIP機能は,Windows 2000 Serverだけでなく,Windows NT Serverにも実装されている。

Fig.3-7 Windows 2000 ServerによるIPセグメント分割(図版をクリックすると拡大可能)
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