インターネットアプリケーション時代の企業ネットワーク再設計
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いまさら聞けない!?ネットワーク機器再入門
| Active DirectoryのFSMO |
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Windows NTに実装されているディレクトリサービスは,シングルマスタレプリケーションで動作する。つまり,データの更新をPDC(Primary Domain Controller)が一手に引き受ける。そのため,Windows NTのディレクトリサービスで「複製の中核となるサーバー」は,PDCである。 一方,Windows 2000に実装されているActive Directoryは,マルチマスタレプリケーションで動作する。つまり,データの更新は原則としてすべてのドメインコントローラから実行することができる。そのため,Active Directoryで「複製の中核となるサーバー」は,存在しない。 ただし,Active Directoryには,FSMO(Flexible Single Master Operations)と呼ばれる操作を実行する役割がある。FSMOは,Active Directoryのスキーマ(データベース構造)を管理したり,パスワードを更新したり,RIDプールを割り当てたりといった特定の操作のことであり,これらの操作は複数のドメインコントローラから実行すると問題が生じるおそれがある。そのため,FSMOに限っては,マルチマスタレプリケーションではなく,シングルマスタレプリケーションで情報が更新される。FSMOの役割を担うドメインコントローラは,社内ネットワーク全体から参照されることが多いので,本社のWANセグメントに配置しなければならない。 |
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