日本を代表するレーシングカーコンストラクター・童夢。1970〜1980年代のスーパーカーブームを体験した世代にとってはスーパーカー「童夢−零」のイメージも強いかもしれない。その童夢創業者である林みのる氏は、日本自動車レース工業会の発起人であり、日本のレーシングカー産業の育成に尽力してきた。2012年8月に社長を退任し特別顧問となったものの、2015年から国内で新たに始まるFIA F4レースのワンメイクシャシー「童夢F110」や、SUPER GTのGT300クラス向けマザーシャシーの開発に携わるなどその情熱は衰えていない。
そんな林氏だが70歳を迎える2015年7月に引退することを宣言している。本講演では、引退目前の林氏に、日本国内でレーシングカー産業を成長させることの意義や、日本のレーシングカー産業の未来に対する期待などについて聞いた。
林 みのる 氏
1975年、スポーツカーメーカーとして童夢を設立し、「童夢-零」などを発表。レーシングカー・コンストラクターとしては1979年からル・マン24時間レースやWEC-JAPAN、全日本F3000選手権などのレース活動を行う。また、技術分野では自社風洞施設「風流舎」やカーボンコンポジット開発・製造子会社の株式会社童夢カーボン・マジックを設立した。
2008年、日本自動車レース工業会 (JMIA) 設立の発起人となり、会長に就任。2009年に自伝「童夢へ」(幻冬舎)を上梓。幼少期から童夢設立までの半生をつづっている。2012年8月末で童夢社長・JMIA会長をいずれも退任し、童夢の特別顧問、JMIAの理事に就いた。
2014年7月1日にソニーのPC事業を継承して独立した新会社「VAIO株式会社」。独立から約半年の雌伏期間を終え、2015年はいよいよ新生VAIOが始動する。生まれ変わった“最後発のPC企業”は一体何を考え、何を狙うのか。
本講演では、新生VAIOが、PCというコモディティの典型のような市場で、どういう方向性を目指し、どういうモノづくりを行っていくのか、などについて聞いた。