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Today on ITmedia 2004年09月13日 19時55分
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Yahoo! Internet Guide 2002年2月号 2002年1月22日(火)
編集部特別賞/総論
オリジナリティで評価!編集部特別賞
西和彦氏が斬る2001年のネット業界

最後に、総合ランキングでは上位にこなかったが、内容が優れたサイトを編集部特別賞として表彰する。また、アスキー特別顧問の西和彦氏に、2001年のインターネットを振り返り、総括していただいた。

全ステージ、全ライブを無料で生中継
…
FUJI ROCK FESTIVAL '01(MSN)

frf.msn.co.jp

 あのオアシスが、アラニス・モリセットが、ニール・ヤングが出演し、全米で大人気のエミネムが大トリを飾るなど、超豪華キャストだったFUJI ROCK。2001年7月27日から29日まで、新潟県苗場スキー場で開催され、4つのステージに計100組以上のアーティストが出演。3日間で7万9000人の観客を動員した。この世紀のイベントを、MSNが無料で全ステージの模様を56Kbpsのストリーミングで生中継。ネットでなければ不可能だった試みとして高く評価したい。次回はブロードバンド対応に期待。

100億ページを保存したウェッブ図書館
…
The Internet Archive(Wayback Machine)

web.archive.org

 96年以降に掲載された100億ページものホームページが保管されたサイトが「The Internet Archive」だ。サンフランシスコの企業家ブルースター・カール氏が考案した「Wayback Machine」というシステムを使っている。過去のページが見られる点はGoogleのキャッシュに似ているが、決定的に違うのは、○年○月のアーカイブ、といった感じで時系列で複数の過去のページを見られる点だ。消えてしまった過去のページが見られてとても便利だ。ただし、個人ページまで保管されているので、消したつもりの過去が……。

野村證券を抜いたネット専業証券
…
松井証券

www.matsui.co.jp

 ネットバブルがはじけて以来、世間の冷たい目にさらされてきたドットコム企業。だが、支店を持たないネット専業証券の松井証券が、2001年に注目すべき、ある記録を打ち立てた。信用取引売買高で大手証券会社を抑えシェア1位を堅持したのだ。月間シェアで初めて業界最大手の野村證券を抜いたのは2000年だが、厳しい市況の中で2001年も見事維持した。信用取引は、空売りなどのやや特殊な売買だが、通常の売買でもすでに大手証券会社に肉薄。2001年8月には東証一部上場も果たした松井証券の今後に注目だ。

日本でもいよいよECが本格化
リアルとネットを結ぶサービスが活躍

 全体として振り返ってみると、EC関連サイトの健闘が注目される。もともと国土が狭く、米国と違い通信販売の習慣がなかった日本ではECは発展しないといわれてきた。だが、2001年は見事、ショッピングモールの楽天市場が総合で1位を獲得した。

 ネット専業銀行も注目される。総合15位のジャパンネット銀行はYahoo!オークションのオフィシャルバンクに採用され、またYahoo!オークションの1年間参加費無料キャンペーンを行ったこともあり一気にユーザー数を伸ばし、一時は口座開設の事務手続きが追いつかないほど申し込みが殺到したという。その後、振込手数料の安さや、自宅で残高確認ができる利便性が徐々に口コミで広がっていき、結果として大きな支持を得たようだ。

 また、テレビ番組とネットの連携も目を引いた。総合14位の「ザ!鉄腕!DASH!!」、16位「発掘!あるある大事典 WEBSITE」はテレビを放映したあとも気になる部分を、かゆいところに手が届くよう、丁寧にフォローしており、視聴者を満足させたようだ。

 では、そうした2001年の傾向を踏まえつつ編集部特別賞に移ろう。MSNの試みはブロードバンド時代への夢を見せてくれた。「The Internet Archive」は画期的なシステムを評価。ネット企業の淘汰が進んだ2001年、大手証券を相手に健闘した松井証券も立派だ。

西和彦氏に聞く…………
「便利な情報」主導に変化の兆し

 いま、インターネットで何が見られているか。それは「便利な情報」です。「これを使ったら時間を節約できる」というサービスがウケています。上位サイトはほとんどが「便利な情報」を提供するサイトです。ショッピングサイトも商品の情報や値段がわかるという意味でそうですし、ニュースサイトや地図情報サイトも、時間を節約できる便利な情報です。

 総合大賞は楽天市場でした。みんな楽天に行って値段を調べているんですよ。どこが安いとか高いとか比較してから買うんですね。これは不況の表れです。楽天に関して思うのは、ショッピングモールに対する支持は、ショップの数で割って考えなければいけない。だから、楽天の得票数は店舗数で割ったのが本当の評価だと思うんですよ。その意味では、単体でやっている価格.comはすごい。ショッピングカテゴリの本当のトップは価格.comだと思います。

 新設されたユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下USJ)のサイトも人気がありました。このサイトはハイテクを楽しく見せるサイトだといえます。東京ディズニーシーのサイトは、USJほど人気がありませんでしたが、それはハイテクを使っていないので、インターネットらしくないからです。紙のパンフレットと同じ見せ方じゃだめですね。

 ブロードバンド向けコンテンツは下位にとどまりました。いまはまだ、本当のブロードバンドコンテンツはありません。本格的な展開はこれからでしょう。

 ブロードバンドといえば映像コンテンツです。有料映像コンテンツを成功させるとしたら映画だと考えるのが普通です。しかし映画を見るならDVDの方がいいじゃないですか? オンラインゲームってのもありますが、これもプレステ2の方がパソコンよりいいですよ。では何をやればいいか? 私はオンデマンドで見られるテレビ番組の再送信が最も適していると思います。これは見逃した番組があったときすごく便利ですよ。テレビ番組のファイルの提供方法としては、ナップスターのように動画を交換するサービスが出てきてもおもしろいかもしれません。

 テレビ主導のインターネットでは、フジテレビが有利だと思います。それは、民放キー局の中でも新聞社との関係が薄いので、ニュースよりもエンターテインメントを重視しているからです。これまでのインターネットは時間の節約がテーマでしたが、今後はエンターテインメントです。節約ではなく、いかに時間を消費するかに変わっていきます。メディアのカテゴリでフジが抜け出ているのは、こうしたこうした将来像がすでに描かれ始めているからでしょう。

 いまのインターネットのサービスは、情報を売るビジネスではありません。ほとんど無料で見ることができます。その意味で、今回までのランキングは発展途上のものです。無料でもこれだけすごい情報が手に入るわけです。それが有料になったら、情報の質はさらに上がります。どれだけ爆発すると思いますか? この1、2年のうちに本格的な有料サイトが“わっと”出てきますよ。

アスキー特別顧問
西 和彦氏
「2002年はコミュニティ部門に1ch.tvがノミネートされるようにがんばります(笑)」
打倒2ちゃんねる! 1ちゃんねるが登場!?
2ちゃんねるのアンチテーゼとして西氏がプロデュースした掲示板群。編集人が発言を監視して「荒らし」を防ぎ、掲示板本来の機能を保つ。ICカードを使った課金システムも構想中だ。書き込み時に課金、返信が多くつくと払い戻しがあるという仕組みだ。
  • 西和彦氏自らプロデュースした掲示板サイト
    1ch.tv

前 2001年の日本のベストサイトはこれだ! 20/20


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