この秋から導入が予定されている12Mbps版のADSLは、前述の通り、モデム内蔵チップが新型のものになるため、現状の8Mbps版のモデムをそのまま利用することができない。そのため各社とも新たな12Mbps版のコースを新設してのサービス開始となるだろう。その際、利用者は現状の8Mbpsからコース変更を行い、モデムも交換することになる。各社とも詳細を明らかにしていないのでコース変更時の費用*5は不明だが、変更費用に関しては1.5Mbpsから8Mbpsにコース変更を行った際と同じような費用や手順になるものと思われる。いまから新たに8Mbps ADSLに加入しようとしている人は大いに悩むところだろう。加入したと思ったらすぐにさらに高速版が登場するのだから。とはいえ秋の12Mbps版登場までブロードバンドをガマンできればいいが……。
さて、各社一斉に対応を表明した12Mbps版ADSLだが、アッカだけは一足先に8Mbpsオーバーのサービスを開始している。ただし、通信速度は12Mbpsではなく10Mbps。これは、「S=1/2」(えす・いこーる・にぶんのいち)という技術を使ったもので、現状の8Mbpsモデムのファームウェアをアップデートすることで実現可能になる。ちなみに、ファームウェアとはモデム内蔵のチップに書き込まれたプログラムのことで、アッカのホームページからダウンロード(無料)したプログラムを利用して比較的簡単に更新が可能だ。
またアッカでは、この10Mbps版サービスを実施するためにはユーザー側モデムのアップデートだけでなく電話局内に設置したDSLAMファームウェアのアップデートも必要としており、7月中旬から東京23区の提供局で順次実施している。その後、順次提供エリアを広げていき9月末までの予定で全国のアッカ提供電話局*6のアップデートを終了したいとのこと。
10Mbpsに対応した電話局は順次ホームページなどで発表されるので、8Mbpsオーバーを実感したい人はアッカのホームページをマメにチェックしよう。