ここでNTT ComのHOTSPOTについて紹介しておこう。月額1600円の定額サービスで、7月末現在でホテル、ハンバーガーショップなど*4を中心に都内約200か所が稼働中。また本年度中に約1000か所まで増やす予定。東京以外では、横浜など周辺都市や大阪に進出を予定している。
ホットスポットの設置場所に関して明確な基準はないが「駅など人の動線上にあり、座ってノートPCを広げることのできる場所」(加納氏)が中心になる。いち早く5GHz対応のホットスポットを設置したホテル「ヒルトン東京」の本間聡アシスタントヘッドウェイターは、「ビジネスマンがノートPCを使う光景を目にすることが増えている」と、徐々にだが利用者が増えていると感じているようだ。
ここで5GHz帯の無線LANについて説明しておこう。現在市販されている5GHz帯の11a製品は、正確にいうと5.2GHz帯(5.15G〜5.25GHz)の帯域が割り当てられている。NTT Comの5GHz対応アクセスポイントもこの周波数に合わせている。ただし、この帯域は気象レーダーなどが発する電波と干渉するため屋内での利用しか認められていないという弱点がある。ホットスポットの中にはアクセスポイントを屋外に設置する例もあるが、その場合は5GHzに対応できないということになる。
そこで、総務省では情報通信審議会*5の「5GHz無線アクセスシステムの技術的条件」という答申を受けて、屋外でも利用可能な5.0GHz帯(4.9G〜5.0GHzと5.030G〜5.091GHz)の周波数の調整や環境の整備を始めている。またこの答申に盛り込まれた技術的条件に沿った形で、NTT Comやスピードネットがサービスに向けた実験*6を開始する予定だ。早ければこの秋にも5.0GHz帯の屋外利用が正式に承認されるものと思われる。