『砂の上の恋人たち』で演じているヒロイン・辻谷黎子は、事故の加害者でありながら、被害者の恋人（長瀬智也）に魅かれていく…という複雑な役。心理的葛藤の多いドラマだが、「現場の雰囲気はすごくよくって、撮影は楽しいですよ。私の父親役で一緒のシーンも多い西岡徳馬さんには、教えられることがいっぱいあります。とくに何か口に出してではなく、何気ないときにこちらが、“ああそうか”と気付かせてもらえたりするんです」

　演技者としてたくさんのものを吸収し、磨きがかかってきているまなみさん。CMでも人気が高く、NTTドコモ関西の「iモード」CMは彼女、本上まなみが起用されている。「iモードはけっこう使ってますよ。レストラン情報を検索したり、映画の上映時間をチェックしたり…」

　パソコンは短大時代に購入。「でも、20回くらい触っただけ。恥ずかしい〜！　簡単なお絵書きソフトで遊んだくらいなんです。いまそのパソコンは、大阪の自宅で眠っちゃってますね」

　エッセイなどの執筆も、原稿用紙に鉛筆というのが、いまのスタイルだという。仕事で大阪と東京を往復、移動中は書評のための読書時間に当てている。本好きは子どものころから。

「なかなか落ち着いてパソコンに向かえないですね。でも、そろそろやりますよ。友だちにも勧められてるし。何でも友だちにいわれて始めることが多いんですよね。インターネットでやりたいこと？　とりあえず、大好きな旅の情報とか、見てみたいかな。いま、アジアに興味があるんです」

　2000年にインターネットデビュー。ほかには？

「ずっといつも新鮮に物事を感じられる自分であり続けたい。ミレニアムだから、という目標じゃないですけど、何をしていても新鮮な感動を感じられるように、自分を柔らかく持っていたいと思います」

　女優としての真剣な仕事への取り組みと、旅やエッセイで見せる『ほんじょ』のちょっとオトボケな素顔。いろいろな魅力がミックスされ、また広がっていくだろう彼女の2000年、いっそうの活躍が楽しみだ。