昨年秋、いままでのロングヘアをカット。今年は写真集やビデオ、そして舞台と次々新しいチャレンジを展開している奥菜恵さん。

「どうも“かわいくニコニコ”というイメージを持たれていたかもしれません…。そういう自分のイメージはどんどん壊して、変えていきたいんです」という。

　6月上演のミュージカルでその生い立ちや欲望にハードなものを持つ主人公“ケガレ”を演じるのも、そうした挑戦の一つだ。

「一人の人間の中にある葛藤やドロドロした部分、いろいろ含めて、ケガレという少女がどうキレイになっていくのか…それは見てのお楽しみ（笑）。松尾スズキさんの演出もすごくて、私自身ワクワクしてます」

　舞台は体力もいる。小柄で細身の恵さんだが、「身体を動かすことは大好き。私、以前舞台で2時間ほとんどしゃべりっ放し、動きっぱなしでも声がかれなかったんですよ。けっこうタフなのかな」

　プライベートな時間には「散歩したり、チャンポンと遊んだり…。あ、チャンポンというのは、長崎で衝動買いしてきちゃった犬なんです。私のパソコンはカメラ付きの機種なので、“うちの犬で〜す！”とか写真入りの親バカメール（笑）を友だちに送っているんですよ」

「ホームページで見るのは、ニュース。それからファンの方が作ってくれているホームページも見てますよ。私の言ったことで、自分が忘れているようなことも載ってたりするんですよね。びっくりしたり、ありがたいなぁと感動したりしています」

　パソコンだけでなく、カメラも使いこなす。昨年本誌に登場したとき語ってくれた、古いポラロイドカメラで撮ったセルフポートレート写真集が、3冊組アーティストブック「あたし」の1冊に。

「自然な感じに撮れたと思ってます。『あたし』というタイトルも自分で付けました。書店でのスタンプ会に、若い女の子がいっぱい来てくれたのがうれしい！」

　私ではなく、あたし。彼女ならではのこだわり、“新しい”恵さんらしさが、男性ファンのみならず女性や、より幅広いファンの心を、引き付けている。

インタビュー/成川ゆかり