今回の「ベスト・オブ・悪用厳禁ツール」の大賞は、めでたくダウンロード部門から国産ファイル共有ソフト「Winny」に決定した。そこで、このダウンロード部門の部門賞は、ダウンロード支援カテゴリーの金賞を受賞した「Irvine」を繰り上げ選出した。
Irvineは、ファイルを分割して高速ダウンロードする機能をはじめ、実に多彩なダウンロード機能を持っている。また、前身の「Iria」時代から、長年国産ダウンロード支援ツールの雄として一線で活躍してきた業績が選出の決め手となった。
Irvineが優れているのは、「キューフォルダ」と呼ばれる機能。キューフォルダごとに、ダウンロードするフォルダや、分割数、プロクシの利用など、細かく設定を変更することができ、ダウンロードするサーバや、ファイルの種類に応じて管理することができる。
URLリストやリンクのインポート機能も強力。HTMLファイルを解析して、特定の拡張子のファイルだけを抜き出してダウンロードできる。
Irvineは、作者のWolfy氏の都合により、残念ながらバージョン1.0.3で開発が一次中断された。だが、機能的にはほぼ完成の域に達しており、正直なところ、これ1本あれば、ほかのダウンロード支援ツールはいらないと断言してもいいのではないだろうか。今までの功績はもちろん、今後も定番ツールとして長らく使われる完成度。それだけでも十分部門賞に値するソフトといえる。