2つ同時にAVC録画、先進のマルチタスク性を備えた“AQUOSブルーレイ”AV評論家・藤原陽祐が感心した(2/2 ページ)

» 2010年01月18日 10時00分 公開
[藤原陽祐,PR/ITmedia]
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 もう1つ、AQUOSブルーレイならではの使いこなし提案として見逃せないのが、ディスク容量に合わせて、最適な画質モードでHDダビングする「ジャストダビング」という機能だ。これはHDDにDRモード記録した番組を、BDの残量に合わせて13段階の画質モードから最適なモードを自動選別して、ディスク1枚に無駄なく収めるというもの。例えば、BS-hiでオンエアした2時間40分のオペラ中継。2層記録のBDを使うには中途半端だし、1層記録のBDではDRのまま収められない。ここでジャストダビングを使えば、最も効率的なAVC録画モードを選択し、しかも音は再エンコード処理されることなくオリジナルのAAC信号がそのまま残せるというわけ。けっして人目を引きつけるような派手な機能ではないが、ユーザーメリットは大きい。

photo BDドライブは正面向かって右側

AVC録画の画質をチェック

 続いて、BD-HDW50のBSデジタル、地上デジタルのHD録画画質を検証したが、実に鮮度の高い引き締まった映像で、従来に比べると一皮むけた印象を受けた。放送のストリームをそのまま録画するDRモードでは、わずかに青みが強く感じられるものの、解像感、S/N感ともにオンエア時とほとんど変わらず、クオリティーへのダメージも皆無に近い。

 続いてAVC録画によるHDの長時間録画。最新機種では2倍、3倍、5倍、7倍に加えて、業界最長となる8.5倍モードまで(いずれもBSデジタルのDRモードを基準としたもの)搭載している。ここでは一層記録のBD-Rに約6時間半録画できる3倍モードと、同じく約10時間録れる5倍モード、そして最長録画時間の8.5倍モードという3種類の録画モードを検証したが、ここでも確かな画質改善が見てとれる。

 とくに3倍モードについては、基本的な情報量をしっかりと確保しながら、輪郭のスッキリとした、メリハリの効いた映像を描きだし、動きに対する安定感も悪くない。見た目のフォーカス感や輪郭の締まり、あるいは色のキレ、純度など、さすがにDRモードと比べると、わずかながら甘口の描写になるが、HD画質として十分納得できるレベルに達している。5倍モード録画になっても、一定のフォーカス感があり、色のにごりも許容範囲にある。動きに伴うボケ感は避けられないが、目障りなノイズは比較的少なく、落ちつきがある。タイムシフト用として日常的に使える画質レベルに達していた。

 最後は8.5倍モード。システムレートで3Mbps弱まで抑えられるだけに、さすがに厳しいだろうと踏んでいたが、ここでも思いのほか頑張る。激しい動きが伴う番組は難しいが、通常のドラマ、映画、ニュースなど、比較的動きが少ないプログラムでは、一定のコントラスト感が確保され、画像の崩れが少ない。ただ1TバイトというHDD容量を考えても、積極的にお勧めしたいモードではない。AVC録画として、個人的にお勧めしたいのは、ズバリ5倍モード。このレベルならBD化して手元に残しておいてもいい。

photophoto リモコン。使用頻度の高い再生系ボタンを蓄光式として、暗い室内でも判別できるようになっている

 ちなみにAQUOSブルーレイは、唯一番組連動データや字幕も記録し、再生時にオンエア時と同じように自由に呼び出すことができるBDレコーダーでもある。番組の出演者やドラマのストーリーが分かる番組連動データが見られるだけでも実に便利だが、録画時のニュースや天気予報がBD化したあとまで残るというのは、われわれのようなコレクターにとっては、嬉しい。しかもこの機能、DRモード録画だけでなく、AVC録画でも同様の使いこなしが可能だ(5倍、7倍、8.5倍モードは番組情報や字幕のみ記録)。

 放送録画時の音(アナログ出力)も確認してみたが、中低域が充実した勢いのあるサウンドで、押し出しが強い。男性の声が太く、実在感がある。その声の様子から胸板の厚みまで感じ取れるほどだった。

 最後に、市販のBD-ROMソフトとDVDソフトの再生。まずBD-ROM「ノー・カントリー」の1080/24pの再生だが、白が気持ちよく伸びて、黒が締まるという高コントラスト画像は、録画画質のキャラクターに通じるものがある。解像度は中庸だが、色再現にしても、階調性にしても、意図的に味付けするようなことはせずに、自然体で見せるというタイプで、必要以上に絵をいじらない。特定の色付けをせずに、あるがままを描きだす。この姿勢はプレーヤーとして高く評価できる。

photo

 そして音もしっかりとした骨格感で、厚みがある。中低域が充実して、押し出し強いだけでなく、効果音の瞬発力も見事だ。力感の伴ったエネルギッシュなサウンド。頑丈なシャーシ設計と、極太の3芯電源ケーブルの恩恵は大きい。

 続いてDVD。私が日頃から見慣れている1998年のオスカー作品、「恋に落ちたシェイクスピア」を再生し、BDレコーダー側で1080pにアップスケールした画質をチェックした。DVD再生を得意とするBDレコーダーはほとんど存在しないというのが、これまでの私の持論だったが、BD-HDW50の自信に満ちた再現性を目の当たりにして、認識が変わった。

 これまでにも数多くのBDプレーヤーでこのソフトを再生しているが、ほとんどの場合、細部の再現性が甘く、肌やドレス、あるいは装飾品の質感を鮮明に描きだすことのできた機種は存在しなかった。ところがBD-HDW50は輪郭がキリッと締まった実に繊細な再現性で、エリザベス女王の豪華なドレス、宝石までも、すっきりと描きだして見せたのだ。

 試しにBD-HDW50のHDMI解像度設定を480pに切り替えて、液晶プロジェクター「DLA-HD750」(日本ビクター)内蔵のスケーラー(レオン/旧シリコンオプティクス製)で480p/1080p変換を行ってみたが、輪郭のキレ、品位、ディテールのきめ細かさなど、明らかに1080p出力設定の勝利。ハイビジョンソフトは質、量ともに着実に充実しつつあるが、DVDでしか見られない作品もまだまだ少なくない。このDVD 再生能力が、レコーダー&プレーヤーとしての価値を力強く押し上げることは間違いない。

 快適なマルチタスク操作の実現により、使い勝手の良さでライバルを大きく引き離し、本質的なクオリティーでもしっかりと存在感を主張する先進的なBDレコーダー。今、AQUOSブルーレイは実に刺激的だ。

姉妹機も2番組同時にAVC録画

photophotophoto 左からダブルチューナー搭載の「BD-HDW45」、シングルチューナーの新型「BD-HDS43」、VHS一体型の「BD-HDV22」

 文中でも触れているが、AQUOSブルーレイでは基本設計を共通化し、HDD容量の違いでグレード差をつけるという考え方でラインアップを構築している。2系統のAVCトランスコーダーを装備し、2番組同時でAVC録画による長時間HD録画が楽しめるのは、ダブルチューナー搭載の姉妹機「BD-HDW45」「BD-HDW43」も共通だ。HDD容量は、BD-HDW50が1Tバイトに対してBD-HDW45は500Gバイト、BD-HDW43は320Gバイトとなっている。

 このほかにもシングルチューナーの新モデル「BD-HDS43」(320Gバイト)やVHS一体型の「BD-HDV22」(250Gバイト)といった豊富なラインアップを備えたAQUOSブルーレイ。録画ファンのみならず、幅広いユーザー層のニーズに応えてくれるだろう。


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