いつでもどこでも“自然な音”――SRS Labsの見据える音体験の世界

SRS Labsは音楽や音声をリアルかつ自然に再生するさまざまな技術を持ち、PCやテレビ、スマートフォンなどさまざまな製品へ搭載されている。その目指すところは「いつでも」「どこでも」自然な音を提供することにある。

» 2010年10月29日 16時00分 公開
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 SRS Labs(以下 SRS)のオーディオプロセッシング技術は、Windows OSの利用者ならば誰しも一度は体験したことがあるに違いない。原音がもっていた、本来聞こえるはずの音を取り戻す、「失われた音を取り戻す」を社是に掲げる同社の技術「SRS WOW」――イコライザでもエフェクタでもないが、スイッチをオンにするだけで、その音本来の臨場感や自然さがよみがえる――が、Windows Media Playerに標準搭載されて既に10年が経過している。

 そして、パーソナルコンピューティングのデバイスがPCだけではない時代が本格的に始まろうとしている現在、、SRSもまた新たな技術をもって、スマートフォンやテレビの世界にも進出している。こうした新しいSRSの技術とその狙いについて、同社プロダクトマーケティング担当ディレクター、クレッグ・マーキング氏とエンターテイメント・エレクトロニクスグループ、プロダクトマーケティング担当ディレクター、スティーブ・ルーニー氏に話を聞いた。

「4つのスクリーン」への展開を狙うSRS

photo SRS Labsのクレッグ・マーキング氏

 「SRSは“4つのスクリーン”への浸透を目指している」とマーキング氏は話す。それはPC、テレビ、モバイル、そして車載端末という4つの環境において、SRSの技術が活用される世界を目指すという目標だ。

 PCの世界においては既にSRS WOWが広く浸透しており、同様に、SRS TheaterSoundは、大半のサムソンの薄型TVに採用されている。SRSの技術は非常に豊富なラインアップをそろえており、例えば、テレビ用には、臨場感あふれるサラウンドサンドをはじめ、音量の平準化や音場の立体化、台詞の明瞭化などを実現する「SRSの先進技術を組合わせた複合技術」(ルーニー氏)があり、「SRS Theater Sound」がその1つだ。2009年の世界のTV市場で、35%という高いマーケットシェアを確保した。

 SRS TheaterSoundはさまざまな技術の複合体であり、テレビの特徴によって必要とされる機能が実装される。一例としてサラウンド機能を挙げれば、テレビシステムのスピーカーまたはサウンドバーのスピーカー形態(テレビ内蔵2chのみなのか、フロントサラウンドなのか、マルチ構成なのかなど)によって、「TruSurround XT」「TruSurround HD」「TruSurround HD4」などとして実装されている。

 また、テレビが薄型化することに伴い、内蔵スピーカーが小さくなると音のひずみやゆがみが顕著なものとなるが、SRSの技術ならばこれを解消し、小さなスピーカーでも安定したサウンドを実現してくれるという。こうした快適性を高める機能としては「TruTools」や特に「TruEQ」がある。

 スポーツ中継からコマーシャルに変わった瞬間にテレビの音が大きくなってしまい、慌てて音量を下げする、というのはよく遭遇する場面だが、このTruVolumeをオンにすると、コマーシャルで音が大きくなっても、それを制御して平準化してくれるので「安心してテレビを楽しんでもらえる」(ルーニー氏)。同じく要素技術の1つである「TruDialog」はセリフを明瞭にしてくれるため、より音声が聞きやすくなる。

photo SRS Labsのスティーブ・ルーニー氏

 実際に聞いてみるとその効果は明らか。臨場感あるサラウンドサウンドを実現するTheaterSoundを有効にすると、一気に音が豊かになり、また、TruVolumeをオンにすれば、番組からCMへの場面転換に起こりがちな音量差が上手に平準化され、音に違和感を覚えずに視聴を続けることができる。

 ルーニー氏は「世界で75%の視聴者がテレビの内蔵スピーカーを使っており、その内蔵スピーカーで音が良くなる技術を作り出す必要がある」と話す。また、2010年上半期の全世界におけるテレビ市場は9000万台程度だが、そのうち、SRS TheaterSoundを搭載したテレビの出荷台数は1800万台に達したという。このままいけば、今年1年間でも3600万〜4000万台に達するという見込みを示す。

ネット配信でのサラウンドサウンドを実現する「SRS 5.1」

 こうしたテレビ向けのオーディオプロセッシング技術をインターネット上の映像コンテンツでも利用できるようにするため、SRSはマイクロソフトのアプリケーション開発プラットフォーム「Silverlight」への対応を進めている。そこに使われているのが「SRS 5.1」だ。

 SRS 5.1はサラウンドサウンドのストリーミング配信を可能とするエンコーディング/デコーティングソリューション。具体的には5.1chサラウンドサウンドや、ライブの音声をエンコーディングし、それをWindows Media Servicesなどによってインターネット配信し、受信側はSilverlightを使い、SRS 5.1でデコードしてコンテンツを再生する、という流れになる。

photo Silverlightを利用したSRS 5.1でのサラウンド配信

 最大の特徴は、オリジナルデータがサラウンドであっても配信自体は2chのデータで行い、ビットレートも最低で96kbpsという帯域を圧迫しない低ビットレートで配信しながら、受信側で最大6.1chまで拡張し、豊かなサラウンドとして再生可能だという点だ。

 このSRS 5.1で配信されるコンテンツを再生するには、HPやDELL、ASUS、サムスン、そしてその他PC OEMの一部PCにプリインストールされているソフト「SRS Premium Sound HD」または「SRS Premium Sound」が必要になるが、SRSのサイトにて提供されているソフトウェア「SRS HD Audio Lab」をインストールすれば、30日間無料で実際に試すことができる(詳細についてはSRSのプレスリリースを参照のこと)。

 特に最近はインターネットを利用した映像配信も盛んになってきており、Silverlightでの配信も増えてきている。こうした場面でSRS 5.1が活用されれば、より豊かなサウンドを体験できる。マーキング氏は、SRS 5.1が「MicrosoftのSilverlightに対応する、現在唯一のサラウンドフォーマット」と強調し、大きなメリットとして訴求していきたい考えを示している。

 そしてさらに見逃せないポイントは、配信側に必要なSRS 5.1のエンコーダーが無償提供されている、という点だ。配信側にとっては、ユーザーへリッチな体験をしてもらえるサラウンドサウンドをインターネット配信する際の追加コストが不必要であるため、今後、一層、サラウンドサウンドでの配信が増えることが予想できる。

モバイル端末へも活躍の場所を広げるSRS

photo 「iWOW Adaptor for iPod and iPhone」

 モバイル分野もSRSが注力するもう1つのスクリーン。SRSが長年培ってきた技術をiPhone向けに形としたのが「iWOW Adaptor for iPod and iPhone」だ。iPhoneのDockコネクタに接続する小さなアダプタで、iPhoneでのサウンドが一気にリッチなものになる。

 iWOWは外付けタイプのアダプタという形で登場しているが、こうしたSRSの技術を標準搭載したスマートフォンや携帯電話も登場している。例えばNTTドコモが発表した最新のAndroid端末「GALAXY S」のビデオプレイヤーには、再生中に表示されている5.1chアイコンをタッチすると、擬似的なサラウンド再生が可能になる(ヘッドフォン接続時のみ)が、これもSRSの技術が使われている。そのほかにも、同じくNTTドコモの「N-01B」など多くのNTTドコモの機種に搭載されている。

 また、SRS 5.1により、Silverlightでのサラウンド配信が低コストで行えることから、スマートフォンでもサラウンド再生環境が一般化する可能性が高まったと言える。マイクロソフトが発表したばかりのスマートフォン「Windows Phone 7」では、開発環境としてSilverlightが利用されており、SRSソリューションを搭載した携帯電話でSRS 5.1のサラウンドを利用できる。低ビットレートで配信できるSRS 5.1は、PCやテレビほど高速な回線を利用できない場面の多いモバイルデバイスにも最適であり、今後の普及が期待できそうだ。


 SRSの理念は「自然なサウンドを再現」することだ。音を加工していくのではなく、もともとの音をそのまま人へ認識させるにはどうするかを考え、その手法や手法を編み出していく。それがSRS TheaterSoundであり、SRS 5.1などなのである。

 サラウンドというと付加的効果の印象が強いが、普段の生活の中では、音は人間を取り囲んでいる。音が周囲に満遍なくあるの状態が本来は自然なのである。同社はここで紹介しただけでも、SRS TheatersoundやSRS 5.1などのサラウンド技術を所有しているが、それは「サラウンド化」が目的なのではなく、より自然な状態の視聴体験に近づけるための手段だ。

 SRSの技術はPCに始まり、テレビ、インターネットコンテンツ、モバイル端末へと、少しずつ、ただ、着実にその活用分野を広げている。生活の至る所に「音」が存在する今だからこそ、世界の音をさらに豊かにする――それがSRSの目指すところと言ってもいいだろう。

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提供:SRS・ラボズ・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2010年11月30日