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“ゼロ”から始まった技術から“次世代”へ――「プロジェクトX21」展
NHK「プロジェクトX」をテーマにした特別展が開催。エレクトロニクス関連の“熱き挑戦”をピックアップしてみた。Blu-rayレコーダーやHD DVDプレーヤーなど次世代DVD試作機、D-ILAリアプロTVや屋外監視用ロボットなど話題の製品もチェック。
NHKドキュメンタリー「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」をテーマにした特別展「プロジェクトX21」が7月25日から東京ドームシティ・プリズムホール(東京都文京区)で開催している。
2000年3月から放送開始したプロジェクトXも今月7月で150回以上を数えるロングランとなっている。今回の特別展では、初回〜第130回までの放送のなかから50のプロジェクトを6カテゴリーに分けて展示(展示ゾーン1)。その中には日本の高度成長を支えたエレクトロニクス製品が数多く紹介されている。
日本ビクターの家庭用VHS方式ビデオデッキ第一号機「HR3300」。リストラ部署の技術陣による意地の開発成果は、利益を度外視して他社に公開され、VHSを世界規格にと押し上げた。(第2回、2000年4月4日放送)
品川の町工場だった東京通信工業を“世界のソニー”へと飛躍させる原動力となったトランジスタラジオ「TR-610」。真空管ラジオ全盛時に登場した“携帯可能なラジオ”という画期的商品は、「メイドイン・ジャパン」の実力を世界に知らしめた。(第33回、2000年12月12日放送)
東京芝浦電気(現:東芝)の自動式電気釜。三菱、松下、ソニーなど家電メーカーがことごとく失敗した電気釜を“自動化”することで家庭の必需品へと押し上げた。日本の台所風景を一変させた自動式電気釜は、米食のアジア、そして世界へと広がっていった。(第42回、2001年2月27日放送)
世界で初めて液晶ディスプレイを商品化したシャープの液晶電卓「エルシーメイト EL-805」。現在の“液晶のシャープ”の源流だ。窓際技術者と新入社員が開発したこの技術は、今やIT産業には欠かせないものとなっている。(第48回、2001年4月17日放送)
長野県・諏訪を“東洋のスイス”にするべく設立された諏訪精工舎(現:セイコーエプソン)が開発した世界初のクオーツ腕時計「セイコークオーツ アストロン35SQ」(左、右は世界初のポータブル型水晶クロノメーター)。“どこよりも正確なホンモノの時計”は、時計王国日本の基礎を築き上げた。(第64回、2001年9月4日放送)
三洋電機が開発した日本初の噴流式電気洗濯機「SW-53」。“家事に機械はいらない”という世間の風潮に対して創業者「井植歳男」が挑んだあの手この手の営業作戦が奏功して大ヒット商品となった。家事の負担を大幅に軽減した“電化元年”の象徴的製品(第92回、2002年7月16日放送)
展示コーナーでは携帯電話を利用した音声ガイドの運用実験も実施。実験ではFOMA900iシリーズを使い、音声データをパケット通信で携帯電話に送ることで展示物のガイドを聞くことができる。900iシリーズを持参すれば実験に参加できるほか、有料で端末の貸し出しも実施。従来の音声ガイドは専用機などを使ってコスト高になるのが難点だったが、自前の携帯電話をガイド機として利用することで低コストに音声ガイドシステムを導入できるという。
また、展示ゾーン2では最先端の“プロジェクトX”を紹介する「ものづくりへの挑戦――21世紀へのプロジェクト」と題した各社ブースを設置。最新のプロジェクトや次世代の新技術・製品を見ることができる。
日本ビクターのブースでは、「D-ILA」デバイスを搭載したリアプロTV(関連記事参照)を国内初披露。61V型「HD-61Z575」(写真)と52V型「HD-52Z575」の美しい大画面映像を間近で観ることができる。
ビクターブースでは昨年のCEATECでお披露目したBlu-rayレコーダーの試作機も展示。外観はCEATECとほとんど同じだが、中身は改良されているという。フルハイビジョン対応D-ILA搭載プロジェクター「DLA-HD2K」によるフルHD 5.1chサラウンドシアターもブース内に設置されている
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