「オーディオ的な仕上がりに驚き」――ヤマハAVアンプ「DSP-AX4600」モニターユーザー訪問記(3/3 ページ)
ヤマハのAVアンプ「DSP-AX4600」にフィーチャーしたITmedia +D主催の「AVアンプ体験イベント」。参加者からモニターを募り、本田雅一氏がそのユーザー宅を訪問してDSP-AX4600の使用感を取材した。セッティングのアドバイスなども盛り込みつつ、ユーザーの“生きた声”でDSP-AX4600の魅力をお届けしよう。
バランスの良いスピーカーとのマッチング
森さんはDS-503を壁に沿ってまっすぐ設置していた。スピーカーの間隔が狭いため、内振りにする必要がないからというのがその理由だ。確かにそのままの配置ならば、ほとんど内振りは必要ないかもしれない。
しかし部屋の中を見ると、柱を上手に避けてラックを置く事で、テレビとスピーカーの配置にもう少し余裕が取れそうだ。
ケーブルの長さが足りず、少し中途半端な配置になったが、ラックをベランダ側に移動させ、その分、スピーカーを広く配置した。こうすることでスピーカーの周りに空間を作ることもできる。空間を大きく取る事で周波数特性の乱れも抑えられる。広がった分、視聴位置とスピーカーの配置も正三角形に近くなるから、ステレオ感も改善されるだろう。
ステレオスピーカー配置の基本は正三角形。やや間隔が広すぎるのでは? と思うかもしれないが、きちんと位相が合わせられたスピーカーをちゃんとしたアンプで鳴らせば、決して間の音像がスカスカになることはない。スピーカーは視聴位置に座ってスピーカーを見た時、内側側面がほんの少し見える程度がちょうどいい。
一般にスピーカーの向きは内振りが強いと音像は小さくシャープになるが、サウンドステージは狭くなる。外振り方向に拡げていくとサウンドステージが大きくなるが、音像はぼやけてくる。ちょうど良いポイントを探すため、真ん中の定位が分かりやすいボーカル系のソースを聴きながら追い込むといい。
さてさて、実際の追い込みは森さん自身に行ってもらうとして、部屋の特性を見る意味もあってYPAOの計測を行ってみた。すると森さんの環境ではフロント2チャンネルともがほぼフラットな特性だったのだ。これはちょっとオドロキ。
ピュアダイレクトモードは完全にアナログオーディオアンプとして機能させるため、デジタルのイコライジング処理を行わない。そこでスピーカーの向きや位置で細かな追い込みをしようと考えていたのだが、これならば大きな変更なしでOKだろう。
設置幅を広げ、スピーカーの向きを変えたことで、音場が広くなり、フワッとした空気感も出てきた。元の位置ではフォーカス感こそより鮮明だが、コンパクトにあっさりとした鳴り方。音の拡がり、スケール感が異なるのだ。
何しろ約20年前の30センチウーファー。やや遅く緩めの音を想像していたら、これが思いのほかスピード感がある。決して古くさくなく現代的とは言わないまでも、バランス良い音が出てくる。30センチのウーファーも遅れることなく腰砕けなしでついてくる。
スピーカーの素性も良いのだが、なんといってもこれだけの大きなウーファーを持つ3ウェイスピーカーを軽々と鳴らす。音の立ち上がりも決して遅れないところなど、DSP-AX4600の駆動力への余裕を感じさせる。アンプが能力を引き出すことで、古いスピーカーの能力が引き出された形。年代を感じさせず、まだまだ良い音を奏でてくれそうだ。
「今使っているテレビはハイビジョンの入力があるので、次世代光ディスクプレーヤーが出たら、それを購入してDSP-AX4600をさらに活用したいですね。他にも自宅にPCサーバを設置しているので、LANを経由したネットワークオーディオにも挑戦したい」(森さん)
DSP-AX4600の導入をきっかけに、AVを楽しむ環境を少しづつ整えていく事を決意したようだ。
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提供:ヤマハエレクトロニクスマーケティング株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日
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