“黒・狭”ベゼルの速いヤツ――サムスンの2ms液晶ディスプレイ「740BF-R/940BF-R」
ディスプレイに求める性能は、ユーザーによってさまざま。サムスンの液晶ディスプレイ「740BF-R/940BF-R」は2msという応答速度を実現。高速描画を重視するなら、注目すべき製品だ。
サムスンが発売した「SyncMaster 740BF-R/940BF-R」は、中間階調で2msという高速な応答速度を実現した17/19型液晶ディスプレイだ。
同社ではすでに応答速度4msの「SyncMaster 950BF/760BF」を発売済みだが、これらを上回る高速性を実現した。
1280×1024表示が可能な液晶ディスプレイ「SyncMaster 740BF-R/940BF-R」(写真は740BF-R)。中間階調での応答速度2msを実現したほか、輝度は300カンデラ/平方メートル、コントラスト比は700:1、視野角は水平・垂直とも160度というスペックになっている
ただ、映像の動きへの追従に関しては、スペックだけでは判断できない部分もある。しかし、動画鑑賞を主に行うユーザーや、あるいは、特に3Dゲームでの「酔い」を軽減したいゲーマーは、より良好な応答速度の製品を常に探し求めるものというのも、また紛れもない事実だ。そういう意味では、“2ms”というスペックは十分に注目に値する。
もちろん、決してスペックだけというわけではない。実際に見た目の応答速度を確認するために、画面上で単純な図形を描画させたり、ウィンドウ内をスクロールさせてみたが、尾の引き方はかなり少なく、残像もかなり軽減される印象だ。応答速度4msという従来品と比較してみた場合でも、応答速度の違いが分かるほどだ。
前述のとおり、2msという数値は白→黒におけるものではなく、中間階調における反応速度のため、高速な表示が要求されるエンターテイメント用途には最適だといえる。ゲーム・プレイではブレのまとわりつきを最小限に抑えられるので、移動している対象物を明瞭に捕捉でき、スクロールのもたつきもかなり解消される。また、映画などの動画鑑賞でも残像感の軽減に貢献してくれるため、動きの激しいシーンでも映像が雑になったりはせず、落ち着いて作品に没頭できるのだ。
ボタン類は前面右下に配置されている。右から電源、AUTO(自動調整)、Enter/Source(メニューの決定、入力ソース切替)、輝度(カーソル上と兼用)、MagicBright(カーソル下と兼用)、MENUボタンとなっている
3キロ弱の“超”軽量ボディに、12ミリの“超”狭額ベゼル
まずは応答速度の話を手早く述べたが、この「740BF-R/940BF-R」の魅力はそこだけにあるのではない。製品を箱から取り出すと、まず驚くのはその軽さだ。今回、試用したのは17インチの「740BF-R」だが、ディスプレイ本体だけで2.9キロ、スタンド込みでも3.4キロ以下となっている。
実はわが家では少し前に、リクライニングシートでのんびり使うためのPCを、ノートブックからデスクトップへと切り替えた。そして、これにともない、2500円程度のキャスターつきサイドテーブルに、液晶ディスプレイを載せることにしたわけだ。その際、なるべく軽量な製品を探し、最終的に「760BF-R」に落ち着いた。
しかし、その「760BF-R」でも、質量は5キロほどある。1キロ以上の差があるのだから当然だが、持ち比べてみても「SyncMaster 740BF-R」は格段に軽く感じる。まさしく、片手でも楽々持ち運べるレベルだ。19インチの「940BF-R」の方もスタンド込みで4.8キロと同クラスの中ではかなり軽量の部類だ。
軽量な分、「740BF-R」のスタンドはきわめてシンプルな構造で、ピボットやスウィーベル機構はなく、わずかにチルトが可能な程度。しかし、自分のような用途であれば、特に必要ではなく、また、何かの拍子にポジションが変わってしまうことも少ないので、逆にありがたいかもしれない。
この製品ではVESA(75ミリ)マウントを装着可能だ。なので、もう少しポジションの柔軟性が必要というならば、フレキシブルアームなどの導入を検討するといいだろう。
スタンドを含めても3キロ台という軽さなので、このような強度にやや不安があるサイドテーブルでも、あまり心配せずにすむ。シンプルなデザインとブラックカラーの組み合わせにより、どんな部屋でもバランスをとりやすいだろう
スタンド部は本体に装着された状態で梱包されており、円形のボトム部へ差し込んで固定するだけでいい。軽量なこともあいまって、設置は実に容易だ。逆に、VESAマウントを使用したい場合には、+ドライバーでネジ3本を外せば、スタンド部は簡単に取り外せる。
軽量に加えて、もうひとつ注目すべき点はベゼル幅だ。“超”狭額タイプで、本体端から画面端の幅を実測しても、せいぜい15ミリ程度。「740BF-R/940BF-R」を2個、3個と並べて、2画面/3画面のマルチディスプレイ環境を実現した場合でも、“隙間”は30ミリですむわけだ。
また、これほどの軽量&スリムボディにもかかわらず、電源内蔵タイプであり、さらにDVI-DとアナログRGB(D-sub)の2系統入力を装備した点もポイントが高い。
この「SyncMaster 740BF-R/940BF-R」は、一見すると実用的な外観で、派手さは感じられないかもしれない。しかし実際には、2msの高速応答性と軽量な本体、そして、狭額ベゼルという大きな特徴を持っている。ユーザーの用途・目的によっては、ほかにはない魅力をいくつも秘めた製品といえるだろう。
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提供:日本サムスン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日
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