10メガに進化したハイアマ向けデジ一眼「EOS 40D」
キヤノンはハイアマチュア向けデジタル一眼レフカメラ「EOS 40D」を発売する。CMOSセンサーが10メガに、エンジンはDIGIC IIIに進化した。背面液晶も3インチへと大型化。
キヤノンは8月20日、ハイアマチュア向けデジタル一眼レフカメラ「EOS 40D」を8月31日より販売開始すると発表した。ボディのみと、EF-S18-55mm F3.5-5.6 ISをセットした「EF-xzS18-55 IS レンズキット」、EF-S17-85mm F4-5.6 IS USMをセットした「EF-S17-85 IS U レンズキット」が用意され、いずれも価格はオープン。実売想定価格はボディのみが15万円前後、EF-S18-55 IS レンズキットが17万円前後、EF-S17-85 IS U レンズキットが20万円前後。
「EOS 40D」。左がEF-S17-85mm F4-5.6 IS USMをセットした「EF-S17-85 IS U レンズキット」、右がEF-S18-55mm F3.5-5.6 ISをセットした「EF-S18-55 IS レンズキット」
2006年3月に販売開始された「EOS 30D」の後継機種。APS-CサイズのCMOSセンサーの画素数が有効820万画素から有効1010万画素にアップしたほか、画像処理エンジンが「DIGIC II」から「DIGIC III」に変更されている。CMOSセンサーから出力されるアナログ信号のA/D処理を従来の12ビット処理から14ビット処理に変更することで、より豊かな階調表現を可能とした。
オンチップマイクロレンズの改良によって集光効率が高められており、常用設定ISO範囲100〜1600を確保している。ISO感度は全自動などのプリセットされた撮影モードでも、自動的に最高800までが設定される。
シャッター駆動用とレンズ駆動用にそれぞれモーターを搭載する「2モーターシステム」の採用などによって、連続撮影性能も最高約6.5コマ/秒・約75枚と高められた。連写については最高約6.5コマ/秒の「高速連続撮影」と最高約3コマ/秒の「低速連続撮影」を切り替えて利用することも可能だ。
AFについては、縦線と横線を検出できるクロス測距センサーを9点の測距点すべての配置。中央の測距点にはシリーズ製品として初めて、F2.8対応の縦線・横線対応のセンサーが搭載されており、より正確なピントあわせが可能になっている。光学ファインダーも新設計され、倍率約0.95倍(視野角26.4度)/視野率95%となっている。
ゴミ除去については、EOS Kiss Digital X と同様に「ゴミの発生を抑える」「ゴミの付着を抑える」「ゴミを取り除く」という総合的対策「EOS Integrated Cleaning System」を実装。超音波振動を利用してゴミをふるい落とすセルフクリーニングセンサーユニットなどでゴミの影響を最低限に抑える。
背面の液晶ディスプレイは3インチの大型タイプを採用(EOS 30Dは2.5インチ)。CMOSセンサーの映像をリアルタイムに確認しながら撮影できる「ライブビュー撮影機能」も搭載している。ライブビュー利用時には視野率約100%の表示が可能なほか、5倍/10倍に拡大しながらも利用可能なので、マクロ撮影時などにも威力を発揮する。
機能面では利用頻度の高い項目を6つまで登録できる「マイメニュー機能」のほか、ユーザー自身が設定した撮影機能やメニュー項目を3つまで登録できる「カメラユーザー設定機能」、高輝度側のダイナミックレンジを拡張することで白飛びを抑制する「高輝度側・階調優先」機能がカスタム機能に新搭載された。
主なスペックは以下のとおり。
製品名 | EOS 40D |
---|---|
形式 | ストロボ内蔵デジタル一眼レフAF・AEカメラ |
レンズマウント | キヤノンEFマウント |
撮像素子 | 22.2×14.8ミリ、有効約1010万画素CMOSセンサー(総画素数約1050万、RGB原色フィルター) |
ISO感度 | ISO 100〜1600相当、ISO3200相当の感度拡張が可能 |
記録画素数 | 3888×2592/2816×1880/1936×1288ピクセル |
記録方式 | JPEG、RAW(14ビット) |
AF方式 | TTL2次結像位相差検出(9点測距、EV-0.5〜18) |
フォーカスモード | ワンショットAF、AIサーボAF、AIフォーカスAF、マニュアル |
シャッター | 電子制御式フォーカルプレーンシャッター |
露出制御 | プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、自動深度優先AE、マニュアル、E-TTL II自動調光 |
シャッタースピード | 1/8000〜30秒(1/3、1/2段ステップ)、バルブ、X=1/250秒 |
ホワイトバランス | オート、太陽光、日陰、くもり、白熱電球、白色蛍光灯、ストロボ、マニュアル、色温度指定 |
ドライブ(連写機能) | 最高約6.5コマ/秒、最大約75枚(JPEG)/最大約17枚(RAW)/最大約14枚(JEPG+RAW) |
液晶ディスプレイ | 3型TFT液晶ディスプレイ |
記録メディア | コンパクトフラッシュ(Type I/II) |
電源 | 専用リチウムイオン充電池(BP-511A/511/514/512) |
撮影可能枚数 | BP-511A使用時、ストロボなしで常温1100枚、50%ストロボ撮影で常温800枚撮影可能(CIPA基準) |
サイズ | 145.5(幅)×73.5(奥行き)×107.8(高さ)ミリ |
重さ | 約740グラム(本体のみ) |
発売時期 | 8月31日 |
実売価格 | 15万円前後(ボディのみ) |
同時にEF-Sレンズ2本とEFレンズ1本も発表された。EF-Sレンズは、標準ズームレンズの「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS」と望遠ズームレンズ「EF-S55-250mm F4-5.6 IS」、EFレンズの「EF14mm F2.8L II USM」。9月下旬より順次販売開始の予定で、価格はEF-S18-55mm F3.5-5.6 ISが3万4650円、EF-S55-250mm F4-5.6 ISが4万7250円、EF14mm F2.8L II USMが32万2350円。
EF-S18-55mm F3.5-5.6 ISとEF-S55-250mm F4-5.6 ISはシャッタースピード換算で約4段分の手ブレ補正機能を搭載。前者には非球面レンズ、後者にはUDレンズを採用することで収差を補正し、ズーム全域での高画質を実現した。EF14mm F2.8L II USMは広角の「L」レンズとして愛用されてきた「EF14mm F2.8L USM」の後継レンズ。2枚の非球面レンズで歪曲収差を抑えるとともに、2枚のUDレンズで倍率色収差をも抑制している。
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