ポッドキャスト愛好家に――無線LAN搭載プレーヤー「gigabeat T401」:レビュー(2/2 ページ)
東芝のポータブルプレーヤー「gigabeat」に無線LAN搭載モデルが登場。用途はポッドキャストのダウンロードのみに限られるが、PC接続なしに最新番組が入手できる便利さはなかなかだ。
プリセットされているジャンルはバラエティ、アーティスト/音楽、お笑い、スポーツ、ニュース/ビジネス、テレビ/ラジオ/映画、語学、趣味/教育/講座、著名人/芸能人/タレント、アニメ/漫画/ゲームの10ジャンル。「バラエティ」のみPowerd by castellaの文字が見えるが、Podcasting Juiceのようなポッドキャストサイトからリスト提供を受けたものではなく、東芝が自社でセレクトしたようだ。
任意のポッドキャストを登録するとメインメニューの「無線deダウンロード」以下に番組の一覧が表示される。更新は番組ごとのほか、一括更新も行える。ただ、再生についてはこのダウンロード結果画面から行えず、「ミュージック」から番組名あるいはジャンル(無線deダウンロード)などから選ぶ必要がある。ダウンロードが完了したらすぐさま聞きたいという場合も多いはずで、これは少々不便。
なお、無線LANのON/OFFはメニューから行うようになっており、ON/OFFの状態は電源を切っても変更されず、ハードウェアとしてのスイッチも設けられていない。ON/OFFは常に画面左下に表示されているとはいえ、ONにしっぱなしで電池を消耗してしまうといった事態も想像できる。明示的にON/OFFを切り替えられるスイッチは欲しいところだ。
プレーヤーとしてはシンプル
Windows PMCを搭載しているので、操作感は「gigabeat V401」(レビュー)など他のgigabeatとほぼ同等だ。無線LANを利用してのダウンロード中以外ならば「スタート」ボタンでメインメニューを呼び出せるので、迷ったら「スタート」と覚えておけばいい。
本製品が再生できるファイル形式は、楽曲ファイルがWMA/WMA 9 Lossless/MP3/WAV(PCM)、動画ファイルがWMV、静止画ファイルがJPEG。Windows DRM10に対応しているため、Napsterなどサブスクリプション型の音楽配信サービスも利用できる。
同社独自の圧縮音源補完技術「H2C」(High order Harmonics Compensation)を進化させた「新H2C」を装備。動作モードとしてProfessional/Dynamicの2つを用意している。ただ、この機能を有効にしない状態でも解像感の高い、伸びのあるサウンドを聴かせてくれるほか、いずれのモードも派手さはないものの、その効果は感じさせるという絶妙な味付けが施されているので、ON/OFFは好みの範疇だろう。強いて言うならば、ジャズや女性ソロボーカルなどの細かなニュアンスを楽しみたいときにはProfessionalをONにすることをお勧めしたいと思う。
ボタン入力に対する反応は機敏で利用時にストレスを感じることはないが、筆者の手にとって十字キーの位置はやや下すぎるようで、右手で本体を持ち親指でキー操作を行おうとすると少々不安定さを感じる。背面にもう少し滑りにくい加工が施すか、キー類がもう少し上に位置していたほうがいいのではと感じる。
もうひとつ気になるのが、表面処理。つやのあるブラックのピアノフィニッシュは確かに美しいのだが、指紋が付着しやすい。この表面処理方法を選択した以上は仕方ないのだが、頻繁に手で扱うデバイスだけに指紋の付着は気になる。フレームにマグネシウム合金を利用しているのだから、金属の質感をいかした梨地仕上げというのも良かったのではないだろうか。
Windows PMCを採用したポータブルプレーヤーとして完成度は高く、ライブラリーをWMPで構築しており、音楽リスニングをメインとするユーザーならば、スタンダードなプレーヤーとして勧められる製品だ。動画やワンセグといった映像視聴に重きを置くならばVシリーズ、より軽快に音楽だけをというならばUシリーズを選択すればいいだろう。
本製品ならではの特徴である無線LANだが、用途がポッドキャストのダウロードのみに特化してるため、ポッドキャストの視聴頻度がどれだけ高いかが本製品の価値を左右する。利用してみると分かるが、PCと接続することなくポッドキャストが更新できるのは思っているよりも便利だ。無線LANなしのT401Sと本製品の価格差は直販サイトで5000円なので、更新頻度の高いニュース・語学系のポッドキャストを愛聴しているならば、購入する価値はあるかと思う。
関連記事
- 東芝、無線LAN対応モデルの「gigabeat T401」など2機種
東芝がポータブルオーディオプレーヤー「gigabeat T401/T401S」を発表。T401は無線LAN機能を搭載し、PCなしでポッドキャストをダウンロードできる。 - 電車内でもトギレない:「トギレナイザー」搭載のワンセグgigabeat
東芝がワンセグ対応ポータブルプレーヤー「gigabeat V41」を発表した。電車内などでワンセグを途切れず視聴できる新技術「トギレナイザー」を実装。 - 18万円の「gigabeat ポータブルシアター」発売
「Shop1048」は、「gigabeat ポータブルシアター」を発売した。 - “日本の伝統色”で彩られた「gigabeat U103」、全24色で登場
東芝は、デジタルオーディオプレーヤー「gigabeat Uシリーズ」のカラーバリエーションモデルとして、日本に古くから伝わる“伝統の色”24色を採用した「gigabeat U103」シリーズを発表した。 - レビュー:デジタル時代の「卓上テレビ」――東芝「gigabeat V401」
ワンセグを搭載したHDDポータブルプレーヤー「gigabeat V」にワイド液晶を備えた新製品が登場した。“ポータブル”と呼ぶにはやや大柄だが、「デジタル時代の卓上テレビ」としての可能性を感じさせる。 - 「gigabeat V」にHDD80Gバイトの大画面液晶モデル
東芝がワンセグ対応のHDD内蔵ポータブルメディアプレーヤー「gigabeat V801」(80Gバイト)と「gigabeat V401」(40Gバイト)を6月1日より販売する。新モデルは4インチのワイド液晶を備えた。 - 東芝、「gigabeat V 30T」のワンセグ機能を強化
東芝は、デジタルオーディオプレーヤー「gigabeat V30T」の新ファームウェアを公開した。ワンセグ放送の視聴・録画に関する機能向上がメイン。 - 完成度高めた多機能ワンセグ端末――「gigabeat V30E」
世界初のワンセグ対応HDDプレーヤー「gigabeat V」が録画機能の充実を図り、「gigabeat V30E」として登場した。前モデルの弱点をカバーし、より完成度の高い端末に仕上がっている。 - 東芝が「gigabeat V30E」にピンクとブルーの新色、Web限定
東芝は、ワンセグ対応のデジタルオーディオプレーヤー「gigabeat V30E」の新カラーバリエーションとして、パステルピンクとネイビーブルーの2色を追加した。 - 東芝、録画機能を強化したワンセグgigabeat
東芝はワンセグチューナーを搭載したHDD搭載ポータブルプレーヤー「gigabeat V30E」「V60E」を発売する。ワンセグ関連機能が大幅に強化され、なかでも番組予約については大幅に進歩した。 - 東芝、「gigashot V10」と「gigabeat V30T」のセットを限定販売
東芝はHDDビデオカメラ「gigashot V10」とワンセグ対応ポータブルプレーヤー「gigabeat V30T」のセット販売を直販サイトで開始した。価格は9万9800円。 - 東芝、ワンセグ録画も可能なgigabeat Vシリーズ
東芝はポータブルプレーヤー「gigabeat」の新製品として、ワンセグチューナーを搭載した「gigabeat V30T」を発売する。30GバイトのHDDにはワンセグ放送の録画も可能。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.