人生に定年という文字はない――「最高の人生の見つけ方」:本山由樹子の新作劇場
余命わずかと知った2人の男が、人生やり残したことに挑戦しようと、破天荒な冒険の旅へ。ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン共演の滋味あふれる作品。
最高の人生の見つけ方(Blu-ray Disc)
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アメリカを代表する俳優2人、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演した「最高の人生の見つけ方」が、9月25日にBlu-ray Discで登場。 特典として、ジョン・メイヤーのミュージック・クリップ“Say”を収録。
主人公は、末期がんで余命6カ月と宣告された2人の男。1人は黒人で、自分の夢をあきらめ家族を養うために懸命に働いてきた実直な自動車整備工のカーター(モーガン・フリーマン)。もう1人は白人で、金は腐るほどあるがワガママで横柄、親しい友人も家族もいない病院のオーナー、エドワード(ジャック・ニコルソン)。余命わずかという現実以外、共通点もないこの2人が、同じ病室で闘病生活を送ることから物語はスタートする。
彼らは棺おけに入る前に人生でやり残したことを書き出し、次々とそれらに挑戦していく。カーターが書いたのは「荘厳な景色を見る」「赤の他人に親切にする」「涙が出るほど笑う」……。そこにエドワードが「スカイダイビングをする」「ライオン狩りに行く」「世界一の美女にキスをする」と付け加える。カーターは家族の反対を押し切って、エドワードと共に人生最後の冒険旅行へ出発するのだった。
本作の原題「THE BUCKET LIST(バケット・リスト)」は「棺おけリスト」という意味。題材はシリアスだが、芸達者のフリーマンとニコルソンが出演するのだから、ただの悲劇で終わるわけがない。2人の掛け合いと破天荒な珍道中が面白く、軽妙で味もある。しかもラストはジーンとさせられる。監督は「スタンド・バイ・ミー」「ア・フュー・グッドメン」「迷い婚−すべての迷える女性たちへ−」などで知られるロブ・ライナー。さすが名匠、ツボを押さえた演出だ。
シワが増えても、メタボになっても、人生やり直すのに歳なんて関係ない。人生に定年ナシ。要は気持ち次第というメッセージを痛烈に感じられる、滋味溢れる作品だ。さて、人生の締めくくりを、あなたならどう過ごすしますか?
関連サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/bucketlist/(公式サイト)
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