アメコミファンならずとも必見――「アイアンマン」:本山由樹子の新作劇場
少年心をくすぐるメタリックなヒーロー造形とユーモア満載のアクション大作が2バージョンでBD化。2010年公開予定のシリーズ2作目にも期待。
アイアンマン(Blu-ray Disc)
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批評家にも絶賛され、世界中で大ヒットを記録、続編も決定したマーベルコミック原作のアクション大作「アイアンマン」が3月18日にBlu-ray Disc化。
BDは2枚組の通常版(4980円)と、日本限定フィギュア付きの2枚組BOX(12800円)の2種類を用意。ディスクの仕様は共通で、本編ディスクと特典ディスクを収録。
特典はコミックについてのメイキング・ドキュメンタリー集、未公開シーン&ロングバージョン集、予告編集、パワードスーツギャラリー集、究極のアイアンマントリビアクイズ(BD-LIVE)、メイキング集、視覚効果について、ロバート・ダウニーJr.とジェフ・ブリッジスのリハーサル風景、ロバート・ダウニーJr.のスクリーンテスト、ギャラリー集、プレビス集などを収録している。BOXは3000個限定で、アイアンマンのフィギュアを同梱。ジャケットも、BOXオリジナルのスペシャル仕様になっている。
主人公のトニー・スタークは軍事産業のCEOであり、天才発明家だった。ある日、テロ組織に拉致され、武器の開発を強要される。しかし彼はありあわせの材料を使ってパワードーツを作り、脱出に成功。帰国後、自社の兵器がテロ組織に渡っていることに責任を感じた彼は、スーツをバージョンアップさせ、テロ撲滅へと動き出す。
「スパイダーマン」や「スーパーマン」と比べると知名度は低いと言わざるを得ないし、ストーリーも他のヒーローものと大して変わらないが、とにかくキャラ設定が魅力的。スタークは「バットマン」のように影もないし、「スパイダーマン」のようにウジウジもしていない。モテモテのプレイボーイ、お金を稼ぐことには興味をなくしてしまった男のやさぐれ感が出ていて、要は大人のスーパーヒーローなのである。演じるのは「ゾディアック」「チャーリー」のロバート・ダウニー・Jr.。一時はドラッグでボロボロになり、ハリウッドに干されていたのに、ここ数年地道にクオリティの高い作品に出演。その努力が実って、見事に当たり役をつかんだのは、実に涙ぐましい。
共演のグウィネス・パルトロウは、主人公の秘書であり、彼をサポートするペッパー役を好演している。今後、2人の関係がどのように進展していくかも気になるところ。ほかにも「クラッシュ」のテレンス・ハワード、「フィッシャー・キング」のジェフ・ブリッジスら多彩な顔ぶれが揃う。監督は「ザスーラ」のジョン・ファヴロー。
アイアンマン誕生へ至るドラマも丁寧に描かれ、少年心を間違いなくくすぐるであろうスーツがこれまたよく出来ている。本作はハッキリ言って面白い。アメコミ映画に飽き飽きしている人も大満足できる1本だ。
関連サイト:http://www.so-net.ne.jp/movie/sonypictures/homevideo/ironman/(公式サイト)
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