新ユニット搭載の新たな頂き JBL「Project K2 S9900」:シングルエベレスト
ハーマンインターナショナルがJBL製スピーカー「Project K2 S9900」を発売。新ユニットを搭載し、「EVEREST」とはまた違う、新たな“頂き”として用意される。
ハーマンインターナショナルは2月17日、JBL製スピーカー「Project K2 S9900」を2月25日より販売開始すると発表した。マホガニーのみの用意で、価格は1本210万円。
新製品は2006年9月に発表された「Project EVEREST DD66000」と同様、ホーンドライバーとスーパーツィーターを搭載した2.5ウェイ(拡張型2ウェイ)構成となっているが、ボディデザインは「Project K2 S9800 SE」を連想させるトールボーイタイプとなり、よりスリムさを増している。
搭載されているユニットは、380ミリ径パルプコーンウーファー「1500AL-1」、100ミリ径マグネシウム・コンプレッションドライバー「476Mg」、25ミリ径ベリリウム・コンプレッションドライバー「045Be-1」。ユニット構成からすれば「シングルエベレスト」ともいえる存在だが、「エベレストは孤高の存在」(同社)との考えから、シリーズ展開する「K2」のブランドネームが冠されている。
特徴的なのは、マグネシウム・コンプレッションドライバーの「476Mg」。同社スピーカー製品で4インチドライバーといえば、古くはパラゴンなどに使われる“エース”級のドライバーだが、本製品に搭載されている476Mgはまさしく100ミリ(4インチ)径だ。また、Mgの文字が示すように振動板素材にはマグネシウムが利用されており、素材の軽さを生かして、あえてアルミ製に比べて1.7倍という厚みを持たせ、振動板のピストン領域を広げている。
実はEVEREST DD66000を開発した2006年の段階でもマグネシウムを振動板に採用することが検討されていたが、諸問題がクリアできずベリリウムを利用することになったものの、その後も開発を続け、ついに製品化へ至ったという経緯がある。また、マグネシウム振動板はTSシリーズにも利用されているが、S9900のマグネシウムは純度がさらに高められている。
外見上の特徴でもあるホーンは、高比重熱効果樹脂「SonoGlass」製ホーンリップがエンクロージャーのフロント上部に取り付けられている。キャビネット材質はMDFで、リアルウッド サテン・マホガニー仕上げ。背面のカーブ部は厚さの異なる2枚のMDFから構成されておりその厚みは25ミリにも達する。
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