パナソニック、50V型の3Dテレビを開発:CEATEC JAPAN 2009
パナソニックは、家庭で立体映像を楽しめる「フルHD・3D対応50V型PDP」および「高精度アクティブシャッター・メガネ」の開発を発表した。「CEATEC JAPAN 2009」の同社ブースで参考展示する。
パナソニックは9月28日、家庭で高品位の3D(立体)映像を楽しめる「フルHD・3D対応50V型PDP」および「高精度アクティブシャッター・メガネ」の開発を発表した。2008年に公開した103V型の3Dシステムを進化させ、ホームシアターのボリュームゾーンである50V型に適用したもの。10月6日から千葉・幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2009」に参考展示する予定だ。
プラズマパネルの新しい材料やLSIの新規開発などにより、明るさを維持しながら高速発光を実現する「3D高速駆動技術」を実現。また短残光蛍光体や新発光制御技術により、左右の画像の間に生じる残像を低減する「二重像低減技術」を開発し、新しい50V型の3Dテレビに搭載した。動画再現性がさらに向上するため、従来の2D映像表示においても高画質化が図れるという。
あわせて、PDPに表示する右眼・左眼の映像とアクティブシャッターを高精度に制御する技術を搭載した3D用メガネを開発。3D映像の表示において、フルHD映像の画質を損なう原因となる二重像の発生を大幅に軽減している。これらの組み合わせにより、左右の目でフルハイビジョン解像度かつ毎秒60フレームのスムーズな3D映像を視聴できるようになるという。「映画館と同等レベルの没入感や質感など“まるで、そこにいるような臨場感”を体感できる」(同社)。
パナソニックは、2008年9月に「フルHDx2フレームシーケンシャル方式」の3Dテレビの試作機を公開。2010年に3D対応テレビを市場に投入すると表明している。課題となるインタフェース規格については、HDMI 1.4でクリア。また3D映像を収録するBlu-ray Discについては、ブルーレイディスク・アソシエーション(BDA)による「3D拡張規格」策定を待っている状況だ。
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