「アバター」は3Dの“キラーコンテンツ” パナソニックが20世紀フォックスと共同プロモーション
パナソニックと20世紀フォックスは、年末公開の3D映画「アバター」の共同プロモーションを展開する。2010年の発売を目指す家庭用3Dシステムに先立ち、3Dの魅力をアピール。
パナソニックは8月21日、米Twentieth Century FOX Film(20世紀フォックス)および映画製作会社のLightstorm Entertainment(ライトストームエンターテインメント)と、年末公開の3D映画「アバター」の共同プロモーションを行うと発表した。パナソニックが2010年の発売を目指している“家庭用3Dシステム”に先立ち、3D映画の魅力と市場性をアピールするのが狙い。今秋以降、さまざまなタイアッププロモーションを展開する。
アバターは、「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督が構想14年、製作に4年をかけた初めての“実写3D超大作映画”。具体的なストーリーは明かされていないが、「はるか彼方のパンドラという衛星を舞台に、最初はちゅうちょしていた主人公が、さまざまな発見と思いがけない愛を経験し、やがて1つの文明を救うための戦いに立ち向かっていく」(ニュースリリース)。記者会見の場に“3Dビデオレター”で登場したキャメロン監督は、「偉大なる美しさと危険を併せ持つ遠い世界で繰り広げられるアクションアドベンチャー大作。ため息の出るような美しい景観、驚きの生態系、そして手に汗握るアクションがそこにはあります」と話している。アバターは、12月18日から世界同時劇場公開の予定だ。
パナソニックは、アバターの製作現場に同社製映像機材を提供するなど、以前からキャメロン監督と3D映像の制作面で協業していた。今年1月に開催された「2009 International CES」でも、パナソニックのプレスカンファレンスでキャメロン監督がビデオであいさつ。3D映画の可能性を訴えた(→CESで新たな展開——パナソニックの「3Dシアター」戦略を聞く)。
今回の発表は、これまでの協力関係を全世界向けの共同プロモーションにまで発展させるもの。世界各地でさまざまな活動が計画されており、例えば国内では各種イベントにくわえ、「VIERA」のテレビCMにアバターの映像素材を活用する。また、10月6日に開幕する「CEATEC JAPAN」でも3Dシアターなどを設け、“フルHD3D”技術を紹介する予定だ。一方、米国では今秋から3D対応の103型PDPなどを搭載したトラック3台で全米をまわり、フルHD解像度の3D映像をアピール。欧州でも同様に“移動型フルHD3Dシアター”を運用してショッピングモールなどを行脚するという。
パナソニック本社理事で蓄積デバイス事業戦略室の室長を務める小塚雅之氏は、「3D映画の先駆者であるキャメロン監督と家庭用フルHD 3Dの先駆者のパナソニックがタッグを組み、新たな3D時代を開拓する。新しいものを提供するときは、やはり“キラーコンテンツ”がないといけない。アバターの映像を見て、“3Dの時代がくる”と確信した」と話している。また20世紀フォックスのジェシー・リー日本代表は、「テクノロジーを通じて世界の映画を変えるマイルストーン的なコラボレーションになると思う」と語った。
なお、パナソニックのフルHD3Dシステムの課題であった拡張規格については、まずHDMI 1.4の登場でインタフェース部分をクリア。残るBlu-ray Discの拡張規格についても「BDAで検討を進めており、年内には規格化できる見通し」という。ただし、3Dテレビの具体的な製品化の時期については、「2010年のできるだけ早い時期に」(パナソニックAVCマーケティング本部の西口史郎本部長)とするにとどめた。
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