次世代インタフェース「HDMI 1.4」登場
HDMI Licensingは5月28日、新しいHDMI規格となる“1.4”の概要を公開した。年初の「2009 International CES」で予告されたとおり、4K2Kや3Dをサポート。高速データ通信も可能になる。
HDMI Licensingは5月28日、新しいHDMI規格“1.4”の概要を公開した。年初の「2009 International CES」で予告された新機能はすべて盛りこまれ、1本のケーブルで4K2K映像の伝送からネットワーク接続までサポートすることになる。正式な仕様は6月30日までに公表するという。
まず、HDMI 1.4では1本のケーブルでフルハイビジョンの4倍の解像度を持つ4K2K(3840×2160ピクセル、4096×2160ピクセル)の伝送が可能になる。サポートする解像度は下表の通り。また1080pの映像信号を同時に2ストリーム伝送することもできるようになり、パナソニックの提案するフルHD×2チャンネルのフレームシーケンシャル方式3Dシアターを含め、高精細な家庭用3Dシアターが実現に向けて一歩近づいた(パナソニックの“立体シアター”を見てきました)。
解像度 | リフレッシュレート |
---|---|
3840×2160 | 24Hz/25Hz/30Hz |
4096×2160 | 30Hz |
カラースペース(色域)も広がる。新たにsYCC601、Adobe RGB、AdobeYCC601をサポート。デジタルカメラで撮影した画像も、より実際に近い色で再生できるという。
テレビの後ろはよりシンプルに
HDMIケーブルでハイスピードのデータ伝送を可能にするHEC(HDMI Ethernet Channel)も新しい。HDMI 1.4対応機器は、HECやUPnPを使ってほかの機器とインターネット接続を共有できるほか、HDMI機器間のコンテンツ伝送、HDMIケーブルを介した録画なども可能になるという。伝送速度は、100Mbps以上。LANポートやモデムを持たないテレビでも、DLNA、IPTV、LiquidHDといったIPベースのアプリケーションを活用できる。
またオーディオ信号のアップストリームを可能にする(ARC:Audio Return Channel)も追加される。これは、デジタルチューナー搭載テレビとAVアンプを接続する際、テレビ内蔵チューナーの出力音声をAVアンプへ伝送するためのもの。現在は、テレビとAVアンプをS/PDIFケーブルで接続するのが一般的だが、それも必要なくなる。
この2つの新機能により、テレビ周辺の配線はよりシンプルになる。AVアンプなどで入力ソースを集約しておけば、テレビに必要なのはHDMIケーブル1本と電源ケーブルのみ。スタイリッシュな壁掛け設置なども、より身近になりそうだ。
HDMIの適用範囲を拡大する2つの新コネクター
HDMIの利用範囲を拡大するのが、2つの新しいコネクター。まず、19ピンの「Micro HDMIコネクター」が用意され、ポータブル機器でも1080pの映像伝送が可能になった。コネクターのサイズは、「PC用のmicro USBコネクタよりも小さい」という。また、車載用のハイビジョン機器向けにインターロック機構付きの新しいコネクター仕様が追加されている。こちらは震動やノイズ、熱といった車内環境にも対応できる造りだ。
こうした新機能の追加により、HDMIケーブルのバリエーションも増える。HDMI 1.4対応ケーブルには、1080i/60のスタンダードHDMIケーブルのほか、イーサネット付きのスタンダードHDMIケーブル、Deep Colorや3Dに対応したHigh Speed HDMIケーブル、それにイーサネットをくわえたHigh Speed HDMIケーブル、車載用HDMIケーブルなどが登場する見込みだ。
発表会の模様は別途掲載する。
HDMIの仕様の推移 | |||
---|---|---|---|
年 | バージョン | 帯域幅 | 概要 |
2002年 | 1.0 | 4.95Gbps | 最初のリリース |
2004年 | 1.1 | DVD Audio、7.1ch PCMに対応 | |
2005年 | 1.2 | One bit Audio(SACD)に対応 | |
1.2a | 機器間制御信号(CEC)に対応 | ||
2006年 | 1.3 | 10.2Gbps | 1440pに対応、拡張色空間(xvYCC)に対応、True HD/HTS HDなどオーディオコーデックが追加 |
1.3a | CECサポートの強化 |
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