「次世代HDMI」――4K2Kや3Dに対応、ネットワーク機能も強化:デジモノ家電を読み解くキーワード
いまやAV機器のケーブルといえばHDMIが標準。その仕様は随時強化されてきたが、年内発表予定の「次世代HDMI」は、新時代の到来を感じさせるほど大幅な変更が加えられている。
ハイビジョン時代のいま、AV機器間をつなぐケーブルは「HDMI」が当たり前となりつつある。その仕様は改訂のつど強化されてきたが、年内に発表予定の「次世代HDMI」は新時代の到来を感じさせるほど大幅な変更が加えられている。今回は、2009 International CESで発表された内容を軸に、その要点を解説してみよう。
改訂を重ねて進化を続けるHDMI
HD品質の映像を劣化なしに転送できる「HDMI」。PCのデジタルディスプレイ接続規格「DVI」をベースに音声信号と著作権保護を目的とした暗号化プロトコル「HDCP」を盛り込み、ハイビジョン時代における標準接続ケーブルの座を確立した。
HDMI規格はその後も改訂が続けられ、2005年公開のバージョン1.2aでは機器間の制御信号に関する「Consumer Electronics Control(CEC)を定義、1台のリモコンから複数のAV機器が操作可能になった。2006年11月発表の1.3aでは解像度と色深度が引き上げられ、さらに細密な映像を再現できるよう改良が進められた。
そして今年前半には、大幅に強化された最新バージョン(以下、次世代HDMI)が公開される。それでは、仕様の策定を進めるHDMI LicesingがCES 2009において発表した内容を軸に、そのポイントを説明してみよう。
次世代では「4K2K」と「3D」が強化される
次世代HDMIにおける目玉は、「4K2K」のサポートだろう。名前が示すとおり4K(4000)×2K(2000)ピクセル以上、フルHDの4倍以上という画素数を扱えるよう帯域が拡大される。
帯域の拡大は、3D映像をサポートするためにも欠かせない。映像を立体的に見せるためには、左右の目に異なる映像が届くようにしなければならず、必要とされる情報量は増大する。増大した情報を伝達するには、より広帯域の伝送路が必要となるからだ。
家のどこでも同じ映像を楽しめる時代へ
帯域の拡大がパフォーマンス面の強化策とすると、ソフト面ではネットワーク対応が強化策として挙げられる。次世代HDMIでは、HDMIケーブルを介してイーサネットなみの高速データ伝送を可能にすることも強化点にしており、それを活用するべく策定が進められているのが「LiquidHD」だ。
これはHDMIコントローラチップの大手ベンダー シリコンイメージが中心となって策定しているもので、HDMIケーブルを物理ネットワークとして活用し、テレビなどのAV機器やPCを相互接続することが目指している。一種の通信プロトコルであり、これに準拠した機器は映像などのコンテンツを共有できるというものだ。
LiquidHDの概念図を見てみると、「Liquid Media」や「Liquid Control」といった機能はUDP(インターネットの標準プロトコル。TCPと同様トランスポート層に位置し、TCPより信頼性は低いが転送速度は高い)上に実装されていることが分かる。
物理層はHDMIに限らず、Ethernetや無線LANも使用できるため、既存ネットワークとの親和性も高い。専用ハードウェア(IC)は受信側に必要だが、送信側はソフトウェアで対応できるとされているため、PCなどを映像サーバとして活用することも可能。規格が正式発表される頃には、対応ハード/ソフトが続々と発表されるはずだ。
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