信じるか信じないかは、あなた次第――「THE 4TH KIND フォース・カインド」:本山由樹子の新作劇場
ミラ・ジョヴォヴイッチ主演による衝撃の超常現象ドキュメンタリーが4月21日にBD化。「すべて真実」と疑わないで見るべし。
THE 4TH KIND フォース・カインド(Blu-ray Disc)
ミラ・ジョヴォヴィッチ主演のショッキング・スリラー「THE 4TH KIND フォース・カインド」が4月21日にBlu-ray Disc化。特典は未公開シーン、ミラ・ジョヴォヴィッチのインタビュー、オリジナル劇場予告編、TVスポットなどを収録。初回生産分には解説付きの16ページブックレットが封入される。
2000年10月、アラスカ州北部の町ノーム。心理学者アビゲイル・タイラー博士のもとに、不眠症を訴える住民が次々と訪れる。「白いフクロウが自分を見ている」とおびえ、一様に同じ症状を訴える患者たち。タイラー博士は、彼らが眠れない理由を催眠療法で解明しようとしていた。治療の様子を録画したカメラには、古代の言語の音声とともに、この世のものとは思えない恐ろしい映像が残されていた……。
これまで多数の住民が行方不明になり、1960年代以降、FBIによる訪問が2000回を越えるというノーム。本作は、65時間以上あるという記録映像及び音声のほんの一部を用いながら、怪奇現象に迫る。モデルになった人の「実際」の映像と、ミラ・ジョヴォヴィッチら役者が演じる「再現」映像がごちゃ混ぜになっていて、その斬新なアイデアがウリ。
記録映像はザラつき不鮮明な分、要所で声を上げそうになるほど不気味。タイラー博士は夫の謎の死と、娘の失踪、息子との不和で神経衰弱ギリギリだが、自分の体験した「あること」を信じ研究を続けている。記録映像に出てくるタイラー博士本人の絶望的な表情が印象的である。「あること」については伏せるが、ヒントは映画「未知との遭遇」の原題「CLOSE ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND」。「サード・カインド」とあるから、本作「フォース・カインド」はそれより先を行っているというわけ。
ドキュメンタリー的な見せ方をしておいて、「これを信じるか、信じないかはあなた次第」と放り投げる手法にはやや疑問を抱く。「信じるか、信じないか」と問われれば「信じない」派で、この記録映像自体がよくできたフェイクだと思う(自分の心の狭さを実感)。とはいえ、この種の映画としては非常にインパクトがあり、最後まで引き込まれてしまった。タイラー博士を演じるミラも控えめの演技で健闘している。
とにかく疑わず、「これは真実」と思って見たほうが確実に楽しめます。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
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