グーグルアースも3Dディスプレイで見る時代に?:Display 2010(2/2 ページ)
最新のディスプレイ技術を集めた「国際フラットパネルディスプレイ展」(Display 2010)が開幕した。今話題の3Dディスプレイでは、大手テレビメーカー製品の弱点を克服する技術に注目が集まった。
スクリーンに直接書き込めるディスプレイ技術
PCからプロジェクタを通して、スクリーンにプレゼン資料を投影していたとしよう。会議中に出た意見やアイデアをその場でスクリーンに書き込めたら……、そう思ったことはないだろうか。もちろん、PCを操作して書き込むのは可能だが、ホワイトボードにサインペンで書き込む自由度とは比べようもない。
そんなニーズに応える展示を行っていたのが大日本印刷だ。印刷メーカーがなぜディスプレイの展示会に? そう思うのも当然だが、同社のプレゼン支援ツール「OpenSTAGE」は、印刷技術とディスプレイ技術を融合したものなのだ。
スクリーンだけでなく、手元の紙に印刷された資料に専用ペンで書き込みを入れると、即座にプロジェクタにその書き込みが表示される。
種明かしをすれば、紙の資料やスクリーンに投影された画像に、非常に小さなドットが書き込まれている。そのドットにひとつひとつ座標情報が書き込まれており、専用ペンで読み込みPC側で書き込まれた文字などを認識している。スクリーン、ディスプレイ、紙など、ドットを書き込めるものであれば何にでも応用できるという。
古きを温ねて……
会場の一角には、特別企画として「FPD技術革新の歴史展」が展開されている。古くは1969年のシャープ製電卓「QT-8D」に採用された蛍光表示管から、最新のMEMS共振ミラーを採用した「ECO SCAN」(日本信号と船井電機の共同開発)まで、さまざまなエポックメイキングな製品が展示されている。ディスプレイ技術の歴史をたどってみるのも楽しいだろう。
Display 2010の会期は4月16日(金曜日)まで。開場時間は10〜18時(16日は17時まで)。当日入場料は5000円だが、Webサイトで事前登録を行うと無料になる。
関連記事
- 4つの技術で“明るい”3Dテレビ、シャープが製品化へ
シャープは4月12日、大型テレビ向けの3D液晶ディスプレイ技術を発表した。独自技術を融合させることで、専用メガネをかけても明るく、色鮮やかな3Dテレビを実現したという。 - 「3D元年」覇を競うパナソニックとソニー
International CES開幕前日のプレスデーで、パナソニックとソニーの両社が相次いで3D戦略を発表した。3D元年と目される2010年、両社の争いは激化しそうだ。 - CELL、LED、そしてBD 復活ののろしを上げた東芝のテレビ戦略
東芝デジタルメディアネットワーク社がCES開幕前日に日本人プレスを集めて国内のテレビ戦略を語った。大角社長は、「テレビ+BDで、“あるべき姿”を目指していく」とし、VARDIAへのBD搭載、CELL REGZAの拡充などについて語った。 - Samsungら中韓勢も3Dに本腰――シャープもBD内蔵3Dテレビを準備
3Dテレビを推進するのはソニーとパナソニックだけではない。シャープのほか、SamsungとLGの韓国勢や中国勢も3D対応製品を投入する構えだ。 - 3Dテレビのあの手、この手
パシフィコ横浜で開幕した「FPD International 2009」には各社の3Dテレビや関連技術がめじろ押し。また3.9ミリの超薄型40型液晶テレビや8倍速液晶パネルも展示されている。 - 時代は“グリーン”、低消費電力化が進むフラットパネル
「パシフィコ横浜」でフラットパネルディスプレイ専門展示会「FPD International 2008」が開幕した。例年、パネルの大きさや薄さを競い合ってきた同展示会だが、今年は少し趣が異なる。多くブースに電力計が設置され、消費電力の低さをアピールしていた。 - 大画面有機ELの実用化を進めるソニー、フルHD+倍速液晶を製品化するビクター
各社が最新の薄型ディスプレイを展示する「国際フラットパネルディスプレイ展」(Display 2007)では今年のトレンドならぬ、次世代の傾向がうかがえる。ソニーは大画面有機ELのコストダウンに注力し、ビクターはフルHD+倍速液晶を製品化する予定だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.