REGZA第二章の旗手「47Z1」が見せた安定感:山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」Vol.48(2/2 ページ)
この夏「レグザ第二章が始まる。」というキャッチフレーズのもと、HE1、RE1、Z1の3シリーズを誕生させた東芝。今回は高級ラインのZ1シリーズのなかから、とくに画質面で好印象だった47V型の「47Z1」について触れたい。
録画機能についていえば、本機はHDDを内蔵しておらず、外付けのUSB HDDとLAN HDDによる録画対応。注目すべきは、同社製DVDレコーダー“VARDIA”で培ったチャプター機能「マジックチャプター」が入ったこと。これは録画番組の本編とCMを自動でチャプター分割してくれる機能で、簡単に番組本編だけを続けて観ることができる。また、シーン検出、音楽検出でのチャプター分割機能もあり、ニュース番組や音楽番組で観たいシーンだけを簡単に選んで楽しむことも可能だ。
また、REGZAでいつも感心するのは番組表の美しさと見やすさ。ジャンル色分けが3色から5色に増えたが、配色とタイポグラフィーのセンスがよく、とても上品。ふだん使いのテレビとして、こういう部分の品位感ってすごく大事だと思う。
さて、これまでのREGZAでもっとも不満だったのが、その音質。世界最高音質のCELL REGZA/55X1を別にすれば、他社の薄型テレビ同様、その音はやせたプアなものだったが、本機は違う。楕円(だえん)ウーファーと20ミリ径のツィーターによる2Wayシステムを画面下部にステレオ配置し、それぞれのユニットをデジタルフィルターで帯域分割してバイアンプ駆動、加えて日立製作所の“Wooo”シリーズで採用例のある音響パワーイコライザーのCONEQ(コネック)を採用して、スピーカーの特性にカスタマイズした音響パワー補正が施されているのだ。確かに芯のしっかりした声と広がりのある音場が実現されており、誰が聴いてもその音質向上ぶりは歴然だろう。これはじゅうぶん合格点が与えられる“テレビの音”だと思う。
本機の最終試作段階の画質をチェックしてみたが、REGZAらしい品位の高い映像が楽しめた。VAパネルを直下型LEDでエリア制御した「ZX9000」シリーズに比べると、コントラスト感、黒の黒らしさは一歩及ばない印象だが、まずよくしつけられたホワイトバランスが好印象。肌色の再現も品のよさとリアリティが両立していて、さすがREGZAの高級ラインだと思った。とくに部屋を暗くして観る映像モード「映画プロ」の画質は、じつに安定感がある。
Z1シリーズには、55V型も用意されているが、ユニフォーミティ(画面の均一さ)や視野角などで47V型機のほうが明らかに出来がよい。購入を検討されている方は参考にしてください。
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