発売目前、シャープ「AQUOS クアトロン3D」を先取り体験:3D&バーチャルリアリティ展
3Dの先進技術を展示する第18回「3D&バーチャルリアリティ展」が開幕した。7月発売予定の3Dテレビ新製品「AQUOS クアトロン3D」を見られる貴重な機会だ。
3Dやバーチャルリアリティの最新技術を一堂に展示する第18回「3D&バーチャルリアリティ展」が6月23日、東京ビッグサイトで開幕した。技術者向けの産業見本市という位置づけだが、最近注目の高い3D関連の最新技術は一般ユーザーでも十分楽しめる内容となっている。
会場で最も人だかりができていたのはシャープのブース。お目当ては、5月31日に発表された「AQUOS クアトロン3D」や「4原色パネル技術」の展示だ(→「3Dテレビに“4原色革命”、シャープ「AQUOS クアトロン3D」登場」)。3Dテレビの体験コーナーには60V型の「LC-60LV3」、4原色パネルと従来型パネルの比較コーナーには「LC-40LX3」が展示されている。いずれも7月下旬に発売予定の新製品だ。
各メディアでさまざまに報じられている(→「本田雅一のTV Style:飛び抜けた実力を示すシャープの4原色3Dテレビ技術」)注目の「クアトロン」を視聴できるのは、現時点ではここしかない。気になっている方は、ご自身の目で確かめてはいかがだろうか。
3Dテレビの発売で先行したパナソニックのブースでは、8月に発売予定の一体型二眼式3Dカメラコーダー「AG-3DA1」が展示されている。従来の3D映像撮影では2台のカメラを使うため、カメラ間隔の調整などに手間が掛かり、カメラマン以外にも複数の技術者を必要とするのが常識だった。
3D映像は“基準面”を境にして、それより手前は飛び出して見え、後ろは奥行を感じられる。この基準面を調節するのに、2台のカメラを調節するのが大変なのだという。
AG-3DA1はボディに2台のカメラを一体的に格納することで、3D撮影に必要な作業を大幅に削減した。難しかった基準面の設定は、ボディ側面のジョグダイヤルを使って簡単に設定できる。記録方式にはAVCHDで、2枚のSDHCカードにフルHD映像を同時に録画できる。
業務用映像機器で高いシェアを持つソニーのブースには、マルチパーパスカメラ「HDC−P1」を使用した3Dカメラシステムが展示されている。3D撮影用カメラはハーフミラー方式と呼ばれるもの。2台のカメラを90度に組み合わせ、一台は水平に、もう一台は真上にレンズを向けて設置されている。2台のカメラは“ハーフミラー”を通して2方向に分岐された光を受けて映像を記録する。
このような機構を用いるのは、映像を3D化するのに必要な視差を柔軟に作り出すため。人間の両目はおよそ65ミリほど離れており、その位置の違いによって対象物の立体感を知覚しているのだが、2台のカメラを水平に並べようとすると、カメラ本体の幅が制約となって65ミリ前後まで間隔を狭められない。
そこで1台のカメラを90度に傾けた構造を採用している。2台のカメラの間隔を細かく調整することで、立体感の強弱を変化できるという。
このほかにも、日本ビクターのブースでは2D映像をリアルタイムに3D立体映像化するイメージプロセッサ「IF-2D3D1」と、ライン・バイ・ライン/サイド・バイ・サイドの両方式に対応した業務用の3D液晶モニター「GD-463D10」による実演も行われている。
昨年まで「産業用バーチャルリアリティ展」として開催されてきた本展示会は、今年から「3D&バーチャルリアリティ展」と名称変更された。会場を回っても、3D関連の技術展示が主流となり、難しい話は抜きにさまざまな3D技術を体験できる展示会となっている。開催期間は6月23〜25日(金)、10:00〜18:00(最終日のみ17:00まで)。
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