大満足で10年使えるマイ・ベストワンを選ぶ:高級ヘッドフォンを一気聴き!(2/2 ページ)
普段からiPodなどで音楽をよく聴いている人は、オーバーヘッド型の高級ヘッドフォンに対するあこがれを持っているのではないか。今回の特集では、そんなあこがれの製品からオススメの機種をピックアップ。物欲の参考にどうぞ。
型式
ドライバー型式とフランジ(ドライバー裏側のケース)形状の両方が書かれている場合が多い。ポイントとなるのはフランジのタイプ。オープンエアー、セミオープンエアーは構造的に音漏れすることが多いため、室内向けと考えるべし。
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周波数特性
ヘッドフォンが実際の音を出せる帯域幅。広ければ広いほどよいとされるが実際にはメーカーによって計測方法などが異なるためあまり参考にならない。この数値を気にする人が多いようだが、ワイドレンジ再生だからといってイコール音質が良い訳ではないので注意。あくまでも指標の1つだ。
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感度(音圧レベル)
1mWの電力で1kHzの音がどのくらいの音圧になるかを表した数値で、単位はdB(デシベル)。数値が大きければ大きいほど音が大きい=アンプのパワーが少なくて済むが、音量に関してはインピーダンスも関わってくるためこの数値だけでは判断できない。とはいえ、数値は高いほど好ましい傾向にあるのも事実。最近のモデルは基本的に90dB以上あり、なかには100dBを超えているものもある。
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インピーダンス
電気抵抗の大きさを表す数値でΩ(オーム)が単位となっている。数値が大きいほどノイズ的には有利になるが音量が小さくなりやすく、数値が小さいほど音量が大きくなるがそのぶんノイズが増えてしまう傾向にある。ヨーロッパメーカーの製品には100Ωを超えるものがあって、専用のヘッドフォンアンプを必要とするものもある。
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ケーブル長
付属ケーブルの長さ。単純に自分にとって必要な長さが確保されているかチェックするのみでかまわない。特に取り外し式のケーブルが採用されている製品であれば、あとで自分に理想的な長さのケーブルに交換(もちろんエクストラコストはかかるが)できるため、こちらをチェックせずに購入しても何とかなる。メーカーによっては取り外し可不可、端子のタイプなども書かれている。
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重量
質量とも書かれる場合がある、製品の全体重量。軽ければ軽いほど頭部や首にかかる負担は少なくなるが、オーディオ製品は重ければ重いほど音質的な有利さを保ちやすいという定説もあるため、何を持ってよしとするかは微妙なところだ。数字的なスペックよりも実際の付け心地を重視して選んでかまわない。
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簡単な説明に終始したが、おおよそは理解していただけただろうか。
このなかで特に重要なのは、感度とインピーダンスの2つ。なぜなら、高級オーバーヘッド型ヘッドフォンのなかには、ホームオーディオ製品やプロ用機器での活用を前提としたものも存在するため、iPodなどのポータブルプレーヤーでは充分な音圧が確保できないケースがあるからだ。具体的には、感度が低め(95dB以下)でインピーダンスが高い(60Ω以上)製品は要注意。ヨーロッパメーカーの製品は、とくにそういう傾向が強い(単純にパワーアンプに求めるインピーダンスがアメリカ圏とヨーロッパ圏では異なるだけという意見もある)ので事前にチェックしておくことをオススメする。
今回の特集で取り上げる製品は下記の通り。順次、掲載していくのでお楽しみに。
今回の特集で取り上げる製品
- ソニーが繰り出した新フラッグシップの実力は!? 「MDR-Z1000」
- 演奏の楽しさを存分に堪能できるスペシャルモデル、AKG「Q701」
- スタジオモニターとしての素性の良さが光る弟モデル、AKG「K601」
- マグネシウムフレーム&フランジは軽量さだけにあらず、オーテク「ATH-A2000x」
- オーテクのロングセラー機「ATH-AD2000」もチェック
- 8年間も“名機”と呼ばれている実力派、ゼンハイザー「HD650」
- ビクタースタジオと同じ音が手に入る!、JVC「HA-MX10-B」
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試聴環境
今回の試聴には、「iPod touch」を活用しつつもPCオーディオ環境での再生をメインとした。なぜなら、音質的だけでなくアンプ出力的にもiPod touchでは力不足となることが容易に想像できたからだ。
USB DACとして活用したのは、シンタックスジャパンから2月に発売されたRMEの新製品「babyface」。純粋なUSB DACというよりもPCレコーディング機材といえる多彩な入出力を持っているが、先の「FirefaceUC」がPCオーディオ視点から高い評価を得ていたこともあって、多くのオーディオファンから注目を集めている。A/D、D/Aコンバーターは上位機種の「FirefaceUC」と同等、さらに200MHzで動作するクロックなど、音質的には上位モデルと互角の実力が確保されている。一方でUSBバスパワー動作を可能にするなど、使い勝手の面でも配慮がなされている。
そのサウンドは、一言でいえばひずみ感やノイズ感が全くといっていいほどないピュアサウンド。ダイナミックレンジが広く、音のエッジもソリッドに切り立っているため、楽曲やシステムの素性がよく分かる。音数も多く、聴き慣れたはずのライブ演奏が、録音システムに変更を加えた別日のテイクかと疑いたくなるほどだ。そういった素性の良さから、今回のような試聴にはピッタリの製品といえる。なお、詳細のレビューに関しては、機会を改めて報告させていただこうと思う。
ちなみに、音質評価の基準とするリファレンス・ヘッドフォンには、シュアーの「SRH440」を使用した。価格的には下位の製品だが、コストパフォーマンスの高さ、音楽表現の巧みさ、そして筆者自身が聞き慣れているという観点から今回活用させていただくことにした。結果としては、当然ながら今回紹介する製品はすべてSRH440のサウンドクオリティーを充分に上回っていたが、逆にこれらの強者を相手によく健闘したものだと感心させられる。1万円台クラスにおいて、貴重な優良モデルといえるだろう。
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