iPodが“いつもより躍動的な音”になる卓上デジタルアンプ──Trends Audio「TA-10」:野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオ Review(2/2 ページ)
音楽は“いい音”で聞きたい──。それならば、自作に続くオトナのPC遊び「PCオーディオ」に挑戦してはいかがだろう。今回はiPodなど小型プレーヤーとの接続にも向く、小型サイズのデジタルパワーアンプ「TA-10」を試聴する。
「鳴りっぷりのよさ」、特に低音域の駆動力の高さが良好
ではパッシブスピーカーのELEC「BS52.2」で試聴しよう。
うん。骨子がしっかりしており、力強さを感じるサウンド感だ。音のヌケもよいため、音楽がとても元気に、いつもよりも躍動的に感じる。特に低音域の駆動力の高さがすばらしい。
この鳴りっぷりのよさは大いにほめたい。解像度感が高く、それでいてボリューム感もたっぷりあるバスドラやベースの力強い音が演奏をより印象的にしてくれ、グルーブ感も高めてくれる。小型なサイズからは想像できないような、ダイナミックなサウンドをスピーカーに奏でさせる、なかなか優秀な仕上がりだ。
ではもう1つ、筆者宅の大型モニタースピーカーとするパイオニアのTAD(TD-4001ホーンドライバと40センチTL-1601bウーファーの2ウェイシステム)にも接続してみたが、この大型システムにおいても、勢いのあるノリのよいサウンドが変わらず聴けた。このシステムで普段使用するヤマハのデュアルモノラルパワーアンプ「101M」と比べると、もちろん解像度感やダイナミックレンジの幅、表現階調など、少なからずクオリティ面で差は出るが、少なくともウーファーユニットがきちんと動ききった点については高く評価したい。
このようにTA-10は、そのコンパクトなサイズと、実売2万円台とする価格帯の製品からは想像しにくい「鳴りっぷりのよさ」(パワーアンプなので、鳴らせっぷりのよさと言うほうがよいかもしれない)が最大の魅力だ。真空管アンプ PA-10とセットで使うのはもちろん、単体のパワーアンプとしてもかなり魅力的な製品である。
音質評価 | |
---|---|
解像度感 | (粗い−−○−−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−−○−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−○−−−フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−○−−−質感重視) |
関連記事
- お手ごろ価格で“響きが心地よい”サウンド、真空管で遊んでもヨシ──Trends Audio「PA-10」
音楽は“いい音”で聞きたい──。それならば、自作に続くオトナのPC遊び「PCオーディオ」に挑戦してはいかがだろう。今回は、とんがったアタマが“にょきっとこんにちは”した愛きょうのあるデザインの真空管ヘッドフォンアンプ「PA-10」を試聴する。 - WiseTech、管球の交換も可能なヘッドフォン/プリアンプ「PA-10」
WiseTechは、真空管ヘッドフォン/プリアンプ「PA-10」とパワーアンプの「TA-10」を発売した。デスクトップにも適したコンパクトオーディオシステムだ。 - レビュー:演奏の楽しさを存分に堪能できるスペシャルモデル、AKG「Q701」
著名な音楽プロデューサー、クインシー・ジョーンズ氏とのコラボレーションから生まれたのが「Q701」。本格派スタジオモニターの実力を試してみよう。 - レビュー:驚きのコストパフォーマンス! ELACの新エントリー「50LINE」を試す
「50LINE」は、この春に登場したELACのエントリー〜中級向けのスピーカー。お得意の「JETツイーター」などは採用されていないものの、決して手抜かりのない、充実したものだった。……購入決定。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.