スカパーJSATは3月9日、衛星を利用したJリーグ生中継の4K映像伝送実験を実施した。同日、東京・調布市の「味の素スタジアム」で行われたJリーグ「FC東京 v.s. 柏レイソル」戦を、通信衛星「JCSAT-5A」経由で東京・港区の「お台場シネマメディアージュ」に伝送、4Kプロジェクターを使ったパブリックビューイングとして上映した。
4K伝送実験は、昨年10月20日に続いて2回目。今回はカメラを7台に増やした上(前回は5台)、4Kのスーパースロー映像を使うことで、より本格的なサッカー中継に取り組んだ。伝送に利用した周波数帯域幅は35.8MHz。変調方式には32APSK(FEC 3/4)を使用し、回線容量は最大120Mbps。映像コーデックはH.264/MPEG-4 AVCで、解像度は3840×2160ピクセル(プログレッシブ)、フレームレートは毎秒59.94フレームとなっている。
同社では、「従来のハイビジョン映像に、遠景の美しさ、臨場感・奥行感が加わった4K映像の魅力を確認することができ、サッカーならではの選手の瞬間的な動きや表情も鮮明に映し出すことができた。2度の伝送実験を通じて4K映像による新たな映像表現の広がりを確信した」としている。
総務省の「放送サービスの高度化に関する検討会」では、スーパーハイビジョン(4K /8K)の放送サービス早期普及に向けた取組みが検討されている。同社では、今後も通信衛星の広域性や同報性を生かした技術開発を積極的に進めるとしている。
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