「オーディオの常識に真っ向から挑戦する」、オラソニック「NANOCOMPO」の非常識っぷり(2/2 ページ)
「オーディオ&ホームシアター展 2012」の製品発表から半年。オラソニック「NANOCOMPO」(ナノコンポ)の第一弾がいよいよ店頭に並ぶ。その出来栄えについて、東和電子の山本喜則社長に聞いた。
非常識なこだわり
オーディオ&ホームシアター展のとき、プレスに公開したNANO COMPOシリーズは、アルミダイキャストの筐体(きょうたい)をそのまま生かしたシルバーのデザインだった。しかし実際の製品は、パールを多く含むホワイトに塗装され、ボリュームボブやボタン類も全体のイメージに合わせて丸みを帯びたデザインに変わった。個人的にはアルミ丸出しの無骨な試作機も好みだが、実際に並べると製品版は“洗練された”という言葉がぴったりとくる。
「初期のデザインは賛否両論でしたが、とくに販売店の方から高級感を求める声が多く、発売を延ばしてデザインをやり直しました。リビングルームに置くオーディオ機器は、やはり家族も喜ぶデザインでなければいけません」。幸い、製品版のデザインはオーディオ店の評価も上々です」。
デザインはフェミニンになったが、中にはコダワリが詰まっている。例えばボリュームノブは、一見プラスチックに見えるが、実はアルミの削りだし。メカニカルボリュームの操作感とワイヤレスリモコンの利便性を両立させる「ハイブリッド・ボリウム」は、操作フィーリングへのこだわり(→関連記事)。本体を持ち上げてみれば、アルミダイキャストのずっしりとした重みを感じる。
さらに底面のビスをゴム足でかくしたり、背面の端子板に鮮やかな赤を採用するなど、細部までこだわった。「でも、やはりシルバーやブラックといった要望もある」という山本氏。カラーバリエーションといったニーズについては「今後、見極めたい」と話していた。
非常識なカタログ?
「もう1つ、今までにないものを作りましたよ」と山本社長が出してきたのは、店頭に置く製品カタログだ。カタログには、商品説明とともに、NANO-UA1の展開図のようなものが掲載されている。
「実はこれ、ペーパークラフトです」。
カタログから線に沿って展開図を切り抜き、組み立てると実物大のNANO-UA1ができあがる。さらに別ページには「NANO-CD1」のフロント/リアパネルも掲載されており、切り取ってペーパークラフトに貼り付けると、同じく実物大「NANO-CD1」が完成する。
「カタログが2部あれば、実物大のNANOCOMPOができます。リビングルームで設置場所を決めたり、インテリアと合わせてみたり、生活スペースの中でそのサイズを実感できるでしょう」。なお、ペーパークラフトは同社のWebサイトでも公開する予定。pdfをダウンロードして、カタログと同じA4サイズで出力すればいい。
山本氏によると、このカタログは高度に戦略的なマーケティングツールなのだという。「実際にNANOCOMPOのサイズとデザインを見れば、オーディオに理解のない奥様も前向きに考えてくれるのでは?」(山本氏)。
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