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フラグシップの風格、ULTRASONE「edition12」を聴く野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(2/2 ページ)

ULTRASONE(ウルトラゾーン)から「edition12」が登場した。開放型のハウジングを採用した新しいフラッグシップモデルだ。さっそく詳細を報告しよう。

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 しいてマイナスポイントを上げるとすれば、音漏れの盛大さだろう。開放型ハウジングだからある程度の音漏れは覚悟の上だが、なかでも「edition12」はかなり盛大に音漏れするタイプ。レファレンスとして使用しているAKG「Q701」とは比較にならないほど、大きな音がする。とはいえ、開放型ヘッドフォンは室内で使用するのが前提なので、実用上は問題にはならないだろう。もし、音漏れを気にするのなら、密閉型ハウジングを持つ「edition8」をオススメする。

 もう1つ、ケーブルが“直出し”なところも“惜しい”と思うところ。上質なケーブルを採用しているので音質的な不満はないが、「edition8 Romeo/Julia」のような着脱式ケーブルを採用してくれていると、色々と遊べて良かったとは思う。そういったニーズに合わせた、派生バージョンの併売も今後は期待したいところだ。

抑揚感に秀でたダイナミックさ


 さて、肝心のサウンドはというと、これがなかなかに好感触だった。ULTRASONEならではの前方定位を保ちつつ、奥行き、左右ともに広がり感の大きいサウンドフィールドを楽しませてくれる。しかも、中高域の階調表現がなかなかに丁寧で、演奏の細やかな表現がしっかりと伝わってくる。また、低域もフォーカス感が高く、ボリュームも過不足ないため、グルーブ感も良好だ。

 確かに「edition10」のような、まるで顕微鏡で見ているかのような徹底したディテール表現は持ち合わせていないが、その代わりに抑揚感に秀でた、リズムが心地よく響くダイナミックさが印象的。こういった楽しさは、「edition12」ならではのもので、「edition10」ばかりか、「edition8」のキャラクターとも違う。ULTRASONEのサウンドは気に入ってるけれど、「もうちょっとだけ元気な音が欲しい」と思っている人には、ピッタリの製品かもしれない。

音質評価 「edition 12」
解像度感 (粗い−−−−○きめ細かい)
空間表現 (ナロー−−−−○ワイド)
帯域バランス (低域強調−−○−−フラット)
音色傾向 (迫力重視−−−○−質感重視)
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