“4K相当”の意味と意義、シャープ「AQUOSクアトロン プロ」(2/2 ページ)
“4K相当”のフルHDテレビは、どのような技術で、またどのような意味を持つのか。一部モデルの発売前日となる11月29日、シャープが技術説明会を催して疑問に答えた。
逆に4Kテレビとの違いは何かと尋ねると、「色の解像度」だという。吉田氏によると、「4Kテレビが4:4:4に対し、クアトロン プロは4:2:4というイメージ。もっとも現在のBlu-ray Disc、そして将来のHEVCによる4K動画配信を含めてコンテンツは4:2:0となるため、色解像度についても不足はないと考えている」(同氏)。
なお、「超解像 分割駆動エンジン」は、入力信号がフルHDなら4K解像度にアップコンバートしてからパネルを駆動し、4K入力時には入力信号の輝度/色情報をそのまま使ってパネル駆動を調整する。ただし、「XLシリーズ」のHDMI入力は4K/30p(30フレーム/秒)が上限で、今後もファームウェアアップデートなどの予定はない。24pが主流の映画はともかく、将来的に4Kでスポーツ中継などを見たときにはフレームレートの不足を感じる可能性はありそうだ。対して4Kテレビの「UD1シリーズ」は、年内のアップデートによって4K/60p入力が可能になる。
一番いいフルHDテレビ、小さいサイズもある4K相当
シャープでは、「XLシリーズ」の登場で消費者にも2つのメリットがあると話す。1つはもちろんコスト。新パネルとはいえ、クアトロンの登場から4年が経過していることもあって4Kパネルよりも安価だ。「例えば60V型で比較すると、UD1シリーズとは実売で10万円前後の差がある。もちろん、一番良いものがほしい方には4Kテレビをおすすめしたいが、リーズナブルな価格で4K相当のテレビを提供できるのは大きなメリット」(同社)。
もう1つは、現在の4Kテレビにはない46V型をラインアップしていること。「32V型や37V型からのランクアップとして40インチクラスを検討するケースも多いはず。より上質な46V型としておすすめしたい」と話している。「XLシリーズの店頭展示が始まってからは、4Kテレビと同じではないものの、“解像感の高いフルHDテレビ”、“一番いいフルHD”という意識で見てもらっていると思う。“4K相当”については、今後も店頭で啓蒙していきたい」(同社)。
型番 | LC-80XL19 | LC-70XL10 | LC-60XL10 | LC-52XL10 | LC-46XL10 |
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発売日 | 12月10日 | 11月30日 | |||
実売想定価格 | 88万円前後 | 68万円前後 | 35万円前後 | 30万円前後 | 26万円前後 |
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