PM2.5に打ち勝つ! ブルーエアの空気清浄技術で知るその方法:滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」(3/3 ページ)
あまり目立たないけれど、実は高度な技術が使われている白物家電をピックアップする新連載。最初のテーマは、これからの季節に気になる空気清浄機。北欧からやってきたBlueairの実力とは?
曽根氏: 一般的な空気清浄機と比べて、例えば「ブルーエア650E」の場合で2.5倍速、毎分1万3800リットルものクリーンエアを供給できます。この数字は8畳の部屋だとわずか2.5分できれいにする速度です。空気清浄機にとって空気清浄能力と並び、この清浄スピードが非常に重要なんです。
例えば、いくら密閉性の高い最近の住宅にしても、もちろん完全密閉状態ではないですし、部屋の扉を開けたり、換気扇を回したり、人が移動したりすれば、どんどん汚れた空気が入ってきます。だから、空気清浄機がもたもた空気をキレイにしていては、部屋の空気はいつまでたっても実質キレイになってないのと一緒ですから。とくにPM2.5のような小さな粒子は、普通の空気の汚れよりもより入り込みやすいので、それをキレイにするにはこのスピーディーさがないと、いくら除去できるといっても、実際にはできてないのと同じだと思います。もちろん現実に、一般的な住宅の8畳の部屋に「ブルーエア650E」は置かないと思いますが、小型の「ブルーエア270E」も、この流れを組んで作れられているので、スピーディーなのは変わりません。
――ブルーエアは半年に1回のフィルター交換を推奨していますが、正直ランニングコストを考えると、やや負担が大きいかなと思います。そのあたりはどうお考えですか? PM2.5に対抗するには、やはり半年に1回の交換が必須でしょうか? 確かに、日本の大手メーカー製の“10年フィルター交換不要”といううたい文句に疑問を感じることも事実ですが……
曽根氏: ブルーエアがどうして半年に1回のフィルター交換を推奨するのかは、もちろん常にクリーンな空気を供給し続けるのに必要だからです。その代わり、フィルター交換以外は一切掃除の手間などありません。大手メーカー製の“10年フィルター交換不要”とうたっている空気清浄機は、能力を維持するために例えば2週間に1回とか、最低でも1カ月に1回ぐらいは、掃除機でフィルターをキレイにする必要があります。その際、せっかくフィルターで集めた汚れなども放出してしまい、結局掃除機で吸うたびに、集めたホコリや菌などを身体に浴びることになります。
それよりも、フィルターは交換する時に、サッとビニールなどに入れて捨ててしまった方が、手間は掛からないですし、ホコリなどを被ることもないので、健康にも悪くありません。PM2.5については、もちろん半年に1回交換しないと、まったく吸わなくなるわけではないですが、空気清浄機の能力はそのフィルターの状態にかなり左右されるのは事実です。なるべく交換時期守っていただきたいですね。
ブルーエアを取材し、どうして昨年の時点でいち早くPM2.5への対応を表明できたのかは分かった。これからの季節、今年は消費増税前ということもあり、いつもよりも多くの人が空気清浄機の購入を検討することだろう。もちろん加湿空気清浄機にも加湿機能と空気清浄機能が同時に使える安心感というメリットはあるが、少なくとも、花粉症やPM2.5をできるだけ部屋のなかから遠ざけたいと思うなら、空気清浄能力を優先するブルーエアを選択肢の上位に加えても良さそうだ。
著者プロフィール
滝田勝紀(たきたまさき)。フリーランスのエディター・ライター。某モノ雑誌で白物家電を約10年担当。『All About』にて家電ガイドとして活動し、「家電AWARD」の審査員も務める。現在は『デジモノステーション』(エムオンエンターテインメント)の白物家電担当も兼任。そのほか、モノ雑誌では『Begin』『Get Navi』『GoodsPress』、ライフスタイル誌では『GQ』『ゲーテ』などに寄稿。自宅ではロボット掃除機を3台稼働させるなど、無類のロボット好き。家電のスマート化にも精通し、欧米を中心とした白物家電メーカーがこぞって出展するドイツ開催の『IFA』(家電見本市)にも毎年通う。家電関連のイベントやメディア出演、家電メーカーのコンサルティング業務、新製品発表会のプロデュース、プレスリリースの執筆も請け負うなど、各メーカーからの信頼も厚い。
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