ニュース
NHK、長寿命で低コストなリン光有機ELデバイスを開発
NHKがリン光材料を使った有機ELデバイスの長寿命化と低コスト化を実現する技術の開発に成功。超薄型で軽量なフレキシブルディスプレイの実用化に向け、大きく前進したという。
NHKは、リン光材料を使った有機ELデバイスの長寿命化と低コスト化を実現する技術の開発に成功した。超薄型で軽量なフレキシブルディスプレイの実用化に向け、大きく前進したという。研究成果は、9月17日から開催される「第75回応用物理学会学術講演会」で報告する。
有機ELデバイスの中で光を発する発光層は、ホスト材料とその中に分布する発光材料で構成され、ホスト材料は電気エネルギーを発光材料に受け渡す役割を担っている。通常、発光材料にはイリジウムなどの希少金属を含む有機金属化合物を用いるため、材料費が高く、デバイスの低コスト化が大きな課題だったという。
今回、電気エネルギーを受け渡しやすいホスト材料を新たに用いることで、極めて少ない量の発光材料で長寿命な緑色のリン光有機ELデバイスを実現。従来のホスト材料で寿命を長くするためには発光材料量を6%以上にする必要があったが、新しいホスト材料では発光材料量1%でも従来の7倍程度の寿命が得られたという。また発光材料を大幅に低減できるため、デバイスの低コスト化も期待できる。
NHKでは、「今後は赤色および青色発光のリン光有機ELデバイスについても同様の検討を進め、高効率・長寿命なフレキシブルディスプレイの早期実用化を目指す」としている。
関連記事
- 8KをCATVで伝送する3つの方法
「ケーブル技術ショー」の一角で、ソニーが「J.382方式」による4K伝送のデモンストレーションを行っていた。将来の8K伝送を見据え、国内CATV事業者に“新しい選択肢”を提案するというが? - 4K/8Kの先にある放送技術――NHK技研公開
8Kを中心に展示内容を取り上げた前編に続き、後編ではスマートテレビや“8Kより未来”のテレビ、そしてAV評論家・麻倉怜士氏オススメのユニークな展示を取り上げていこう。 - 4K制作、NHKはどこまで本気なのか?
4Kテレビの購入を検討するに当たり、やはり気になるのは4Kネイティブコンテンツが増えていくかどうか。サッカーW杯への期待とともに、放送局の動向も気になるところだ。 - 8Kの現状と可能性――技研公開で最先端8Kカメラを見た
2020年の東京オリンピックを目指して各種技術の開発が進む8Kスーパーハイビジョン。今年の技研公開では、その進捗をつぶさに見ることができる。今回はカメラなどの撮影技術を中心に紹介していこう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.