ふき専用掃除ロボット「ブラーバ380j」、その実力を探る(3/3 ページ)
iRobotの「ブラーバ380j」は、人の代わりに面倒なふき掃除をしてくれる“お掃除ロボット”。家の中では素足で過ごす日本人にとって、床の汚れやホコリは気になるもの。ブラーバは期待に応えてくれるのだろうか?
まず洗面所のクッションフロア全体に霧吹きで水をまき、ふき残しがあれば分かるようにした、ウェットモードで狭いスペースを5分30秒と念入りに掃除したブラーバ。終了後、床に這いつくばってチェックしたところ、洗濯パンと壁に挟まれた角に少しだけ水滴が残っていたものの、それ以外はほぼキレイ。隅を含めて全体がきれいに濡れていた。このレベルならまず納得できる。
「NorthStarキューブ」がないと?
次に「NorthStarキューブ」を設置しない場合の挙動をチェックする。
- ブラーバ「ウェットモード」&「NorthStarキューブ」なし(5分17秒)
- ブラーバ「ドライモード」&「NorthStarキューブ」なし(2分44秒)
前ページの「NorthStarキューブあり」と再生時間を比べると分かるが、なんと「NorthStarキューブ」がないほうが若干早く終了していた。実はブラーバの場合、掃除する場所が狭いときは「NorthStarキューブ」を設置する必要はない。内蔵のジャイロとエンコーダーだけで十分な精度が出るからだ。今回、「NorthStarキューブあり」のほうが余計に時間がかかったのは、キューブから届く赤外線の情報を処理する時間だろうか。
国内でiRobot製品を販売しているセールス・オンデマンドによると、ドライモードなら19畳、ウェットモードでも8畳までなら基本的に「NorthStarキューブ」はなくてもいいという。なお、「NorthStarキューブ」がある場合、ブラーバはドライモードで約56畳、ウェットモードで約20畳まで対応できる。ちなみに「NorthStarキューブ」はオプションとして単品販売もされていて(税別5400円)、2個を同時に使用するとドライモード時の清掃面積を最大2倍(約112畳)にまで拡大できるという。ただしウェットモード時は水タンクの容量に制限があるので、最大20畳にとどまる。
日々の掃除をもっと手間なく
このように、ブラーバは部屋の隅々までしっかり掃除する、実に頭のいいロボットだった。ただ、ふき掃除に過度な期待をしてもいけないことも分かった。例えば洗面所なら石けんや整髪料が固まったしつこい汚れも多く、これは人間だって力を入れてゴシゴシとやらなければキレイにならない。重量2キロに満たないブラーバが動き回ったところで、こうした汚れが取れるわけではない。むしろ日々のふき掃除を代行させることで、室内を汚れにくくする、あるいは徐々にキレイになると捉えたほうがいい。
一方、個人的に気に入っているのは、ドライモードなら市販の使い捨てクリーニングクロスが使えること。出かける前、あるいは寝る前にブラーバをセットしておけば、知らない間に部屋はきれいになっていて、後片付けは汚れたクロスをゴミ箱へ捨てるだけでいい。ブラーバをうまく使えば、手間と時間をかけず、部屋をきれいに維持できそうだ。
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