最新のロボット掃除機は何が違う? 「ルンバ800シリーズ」の基礎知識:いちから分かる最新家電(2/2 ページ)
ちょっと複雑で難しい最新家電を優しくひもとく連載がスタート。今回は、ロボット掃除機「ルンバ」を取り上げます。ロボット掃除機の便利なところって? 新しくなった「ルンバ885/875」は何が違うの? 素朴な疑問に答えます。
ルンバ起動
で、結局ボーナスが出た途端、「ルンバ885」を買ったと。やっぱり人の話を聞いてなかったな。
まあまあ、女性には機能や値段より“色”が重要な場面もけっこうあるんですよ。さて、さっそく動かしてみましょ。真ん中のボタンを押せばいいんですよね。
ポチっとな。
あああ、先に押すなんてひどい。しかもセリフからそこはかとない昭和臭が……。
ほーほっほ。このルンバはもう私の言うことしかきかないわよ。
そんな無駄な機能はありません。
でも、ちゃんと動いてる。すごい、わが家に未来がキター!
初めて動かしたときとか、充電しに戻るとことを見たときとか、「おお、ロボットだ」って実感するよね。
でも、なんか適当に動いている感じじゃないですか? あっちいったり、こっちに来たり。一度壁にぶつかるとあきらめちゃうし。
まあ、そう見えるかもね。でもルンバの場合はそれでいい。掃除をしながら部屋の形や広さ、家具の配置なんかを理解して、最終的にはくまなく掃除するアルゴリズムになってるんだ。1カ所あたりで見ると、掃除終了までに平均4回通るらしいよ。しかもさまざまな方向から掃除するから取り残しが少ない。正直、いい加減な人が掃除するより、ずっときれいになる。
なぜこっちを見る?
いえ、別に。で、掃除が終わると自分でホームベースに戻って充電する。タイマーセットしておくと、毎日自動的に掃除してくれるから、仕事している時間に設定しておくといいよ。
へー、あたまいい。でも……壁やものにぶつかりすぎじゃないですか?
よく見て。ぶつかる前に速度を落として、ぶつかるというよりバンパーを押し当ててる感じだろう? 実はセンサーで障害物があることは検知していて、傷が付かない程度の力で触れて確認しているんだ。バンパーの方も非接触スイッチになっているから壊れにくい。
確かに。でも、よく考えたら昨日、家電店で見たロボット掃除機は横のブラシが2本ありましたし、もっと長いのもありましたよ。ルンバは1本なんですね。
ブラシを増やすのも良しあしなんだ。サイドブラシは単純に回転しているだけだから、吸引口へ向かうときを除けば、ゴミを散らしてしまうことにもなる。2本にしたり、ブラシを長くしたりするとゴミを集める範囲は広がるけど、ゴミを散らす範囲も増えてしまう。それに長くすると耐久性も落ちるだろうね。
なるほど。まあ、とにかく私はこれで掃除から解放されたわけです!
分かっているとは思うけど、ルンバが入れない場所は結構あるし、机や棚の上なんかは当然、掃除してくれないわよ。
ルンバの中から手がニュッと出てきて棚の上をゴシゴシと……。
そんな怖い機能はありません。まあ、ロボットアームは研究されているみたいだけど家庭用ロボットでは当分採算が合わないよね。だから今のところは床面の、ルンバが入れる場所限定。高さでいえば10センチ以下の場所は掃除できない。ルンバを買ったからといって今までの掃除機が全く必要なくなるかといえば、そうではない。
……。
捨てたか、掃除機。
だってホース破れてたし、大きくてジャマだったし。
まあ、キャニスター式は大きいからね。ロボット掃除機を買ったなら、ハンディータイプの掃除機を併用すると省スペースで便利だよ。
そうそう、最初からそうするつもりだったんです。さて、そろそろ時間もなくなってきました。次回は何をするんですか?
次回は耐衝撃実験よ。ゾウが踏んでも壊れない? 百人乗っても大丈夫? さあ、買ったばかりのルンバのあしたはどっちだ。
いやいや、元ネタ古すぎるし、完全に壊すつもりだし。次回はもっと使い方を詳しく教えてくれるんですよね。わー楽しみ(棒)。
……元ネタ、分かるんだ。
関連記事
- 寿命6年+メンテサービス付きの「ルンバ800シリーズ」が登場
セールス・オンデマンドは、ロボット掃除機「ルンバ」の新製品「ルンバ800シリーズ」を発表。バッテリー持ちが約6年と長く、メンテナンスサービスも受けられるという。 - ルンバの動きは“ランダム”か?――実は“臨機応変”タイプだった
ランダムタイプか、マッピングタイプか――最近、ロボット掃除機の動きを2つに分類する風潮もあるが、実はルンバはどちらにも該当しない。危険を素早く回避し、あくまでも掃除という目的を遂行するルンバの人工知能について、国内総代理店の技術担当者に話を聞いた。 - ルンバはなぜ丸い? どうしてサイドブラシは1本?――スタイルを変えないiRobotの意図
最近、国内外を問わずさまざまなメーカーがロボット掃除機に参入し、その姿形も多彩になった。ロボット掃除機の代名詞ともいえる米iRobotの「ルンバ」は、過去13年間にわたって基本的なスタイルを変えていない。その理由は? - すべては人を助けるため――iRobotのロボット哲学
ロボット専業メーカーとしての地位を確立した米iRobot。同社のロボットを語る上で欠かせないキーワードが、“ワンミッション、ワンロボット”という考え方だ。 - 困難に直面しても「楽しかった」――「ルンバ」登場までの軌跡
ロボット掃除機の先駆けであり、今やその代名詞にもなっている米iRobotの「Roomba」(ルンバ)。どのような人たちが、何を考えて作り出したのだろうか? 同社の歴史を紐解いてみよう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.