“シネマグレード”をうたうBenQの4K DLPプロジェクター LED光源の上位機も投入予定
ベンキュージャパンは、ホームシアター向けの4K対応DLPプロジェクター「HT8050」を2月24日に発売する。来日したBenQ Asia Pacific社長のJeffrey Liang氏が、今後の製品計画を含めた戦略を語った。
ベンキュージャパンは、ホームシアター向けの4K対応DLPプロジェクター「HT8050」を2月24日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭では70万円前後になる見込み。2月10日にはプレス向けの説明会を開催し、来日したBenQ Asia Pacific社長のJeffrey Liang氏が、今後の製品計画を含めた戦略を語った。
HT8050は、DLPのフロントプロジェクターとしては初めて4K対応を果たした製品だ。搭載されるDMDは、TIが2016年に発表した0.67インチの小型チップ。マイクロミラー自体は約415万個(2716×1528)ながら、1回投射した後にずらして2回目の投射を行い、830万画素相当の4K解像度を得る。時分割で4K解像度を実現した形だが、マイクロミラーの駆動は非常に高速なため、4K/60pに対応し、米国の業界団体CTA(コンシューマー技術協会)の「4K ULTRA HD」ロゴも取得している。
これにRGB×2の6セグメントカラーホイールやUHP(超高圧水銀)ランプを組み合わせ、2200lm(ルーメン)の輝度と5万:1のダイナミックコントラスト、デジタル放送の標準規格で定められた色域のRec.709を100%カバー。さらにTHXの「THX HD Display」認証を取得済みだ。Liang氏は、「DLPならではのコントラスト表現に加え、(THXの定める)Rec.709やガンマカーブ、色温度といった条件をクリアした。映画製作者が意図したコンテンツを的確に再現できる」と胸を張った。
また光学1.5倍ズームレンズの採用により、最短約3mで100インチスクリーンへの投射が可能。縦横のレンズシフト(縦±65%、横±27%)など設置時の柔軟性を高めている。入力端子はHDMI 2.0(HDCP 2.2対応)とHDMI 1.4a(HDCP 1.4)が各1系統。
本体サイズは470.7(幅)×224.9(高さ)×564.7(奥行き)mm。重量は約14.8kg。
LED光源の上位機も日本投入を計画
同社では、「HT8050」のほかにレンズ交換に対応するフルHDモデル「HT6050」などを「ホームシネマシリーズ」としてシリーズ化。さらに国内での発売時期や価格は未定ながら、最上位モデルの「HT9050」(海外では『X12000』)も紹介した。
Liang氏が強調したのは、DLPによる「デジタルシネマのような体験」だ。実際、1月にはインドのショッピングモールにある映画館にX12000を納入し、400インチのスクリーンに映画を映し出しているという。「BenQが提供するのは、シネマグレードの4Kプロジェクターだ」。
さらに“シネマグレード”を支える「5本柱」として、4K解像度、THX認定、色再現性を高める「Cinematic Color」、ビデオエンハンサーの「Cinema Master」、そして従来のLEDに比べて3〜4倍の明るさを実現するというフィリップスの高輝度LED光源「HLD」(High Lumen Density)テクノロジーを挙げた。色域も拡大し、HT9050ではデジタルシネマの色域(DCIのP3)に対応するという。なお、明るさは2200lmとHT8050と同レベルになる。
国内のマーケティングを担当するベンキュージャパン、プロダクト&マーケティング部の洞口寛シニアマネージャーは、「BenQのDLPプロジェクターは世界ナンバーワンブランド。日本でも重きを置いてやっていきたい」と話していた。
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