山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」
HDRが起こした映像革命――2016年のAVシーンを振り返る(1/3 ページ)
年の瀬なので、2016年を総括してみたい。AVシーン今年最大のトピックは、Ultra HD Blu-rayとHDR (ハイダイナミックレンジ)の登場と断言していいだろう。その新しい提案にいかに対応するか、メーカー、AVファンともに頭を悩ませた1年だった。
3月1日に北米でソニーピクチャーズエンタテインメント、20世紀フォックス、ワーナー・ブラザース、ライオンズゲートなどからハリウッド産Ultra HD Blu-rayが発売され、わが国でも6月から本格的に市場導入された。
そのタイミングで各メーカーからHDR対応ファームウェア・アップデートが次々にアナウンスされたのは、Ultra HD Blu-rayのHDR収録の実情を各メーカーがつかみ、画質にどう反映させればよいかをエンジニアが理解したからだろう。
とくにその画質に感銘を受けたのが、UHDプレミアムの認証を受けた液晶タイプのパナソニック「DX950」シリーズと有機ELのLGエレクトロニクス「E6P」シリーズだった。従来よりも大幅に分割数を細かくして精妙なローカルディミング(部分減光) を実現して、明暗のダイナミックレンジを生々しく訴求したDX950は、ぼくにHDRの魅力を初めて実感させてくれた4Kテレビといっていい。
一方のE6Pシリーズは、自発光ディスプレイとHDRコンテンツの相性のよさを確信させてくれた記念すべき有機ELテレビ。漆黒の夜景に灯る街灯や夜空に浮かぶ星々のきらめきなどの場面で、HDRと有機ELの相性の良さをまざまざと実感させられたのだった。2017年の早い時期には、LGディスプレイ製パネルを用いた国内メーカーの有機ELテレビが登場してくると予想され、その仕上がりにも期待したい。
そして秋が深まるころ、ソニーから大画面液晶テレビ「Z9D」シリーズが登場する。65V型、75V型、100V型で展開されるこのシリーズこそ、2016年のAVシーンでひときわ光り輝くモニュメンタルな製品といっていいだろう。LEDバックライトの個別制御という本質的な技術課題に果敢に挑み、見事な成果を挙げたのである。
サイズによってその値は異なるが、Z9Dシリーズは1000nitsをはるかに超える十分な明るさを得ているため、4000nits基準でグレーディング(制作)されているUltra HD Blu-rayでは、最大輝度1000nitsのマスターモニター「BVM-X300」以上のハイライトの階調表現を実現しているのだ。
700万円という驚愕のプライスタグが付けられているが、100V型の「KJ-100Z9D」の画質がとりわけ凄い。明るさの余裕を活かして常時ブリンキング(瞬間的に明滅させること)という手法を採り、動きボケという液晶テレビの宿命的な弱点を一掃している点にもおおいに感心させられた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
パナソニックHD子会社、使用禁止の生成AIに従業員約33万人分の個人情報をアップロード
-
2
「Claude Mythos 5」、危害の兆候を顧みず実在の開発者を標的に──AnthropicとAISIが分析結果を公開
-
3
PHP脆弱性でいち早くサービス停止したコドモン 背景に「被害が出てからでは取り消せない」
-
4
GMO、不正取引の被害額を補償へ 見舞金5000円も 「お名前.com」FX用VPSへのサイバー攻撃で
-
5
GMO、「能動的サイバー防御」発動を政府に要請 「お名前.com」FX用VPSへの攻撃で
-
6
「お前らの作品は所詮コピーだ」――富野由悠季さん、プロ論を語る
-
7
「AIでエンジニア派遣は不要になる」のか? 各社に肌感を聞いた 求められる人材、明確に変化
-
8
ロリポップ改ざん問題でツイート炎上のGMO熊谷社長、「強気すぎた」と謝罪
-
9
コミックシーモア、流出は最大約420万件に メールアドレスや生年月日など 不正アクセスの経路特定・遮断は完了
-
10
「お名前.com」 のFX自動売買VPS、不正アクセスで金銭被害か 「600万円の損失」「55万円なくなった」……報告相次ぐ
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR