山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」
HDRが起こした映像革命――2016年のAVシーンを振り返る(2/3 ページ)
4KプロジェクターもHDRに合わせて進化
一方、プロジェクターのHDR 対応については、この夏の時点ではJVC「DLA-X750R」が群を抜いて完成度が高かった。
本機の光源は1800 ルーメンの高圧水銀ランプで、ゲイン1の100インチスクリーンに投写した場合、nits(カンデラ/平方メートル) 換算すると、おおよそ200くらい。最大輝度を1万nitsとし、明るさを絶対値として扱うHDR10(Ultra HD Blu-rayで採用されたHDRフォーマット)コンテンツを「それらしく」再生するの不可能ではないかと思えるが、JVCの開発陣は、発売されたハリウッド産Ultra HD Blu-rayを精査し、以下の結論を得たという。
それは、現状のUltra HD Blu-rayの最大輝度レベルはおおむね1000nit設定の作品が多く、その場合、フレーム内の平均輝度の最大値は400nitsであるということ。JVC開発陣はそこに着目し、ファームウェア・アップデートによってX750R に最大輝度を400nitsに設定するHDR モードを持たせたのである。そして400nits以上の信号が入ってきたときのために「明部補正」の調整でガンマを寝かせる工夫を採ったわけだ。
本機のHDRモードを体験し、2000 ルーメン前後の家庭用プロジェクターでもHDR コンテンツが「それらしく」楽しめることが確認でき、非常に頼もしい思いがした。JVCは本機の後継機として、明るさを1900ルーメンに上げ、Hybrid Log-Gamma(HLG)にも対応した新製品「DLA-X770R」をつい最近になって発表した。筆者は未見だが、一層の画質の練り上げが期待できる。
超高級機が続々
また、この秋にはJVCから4Kリアル画素パネルを搭載し、レーザー光で3000ルーメンを実現した「DLA-Z1」が、ソニーから同じくレーザー光を用いて5000ルーメンを実現した「VPL-VW5000」が発表された。
DLA-Z1が350万円、VPL-VW5000が800万円と値段も破格で、物量が投入された両機の画質はたいへん素晴らしいが、3000ルーメン、5000 ルーメンといってもやはり画面サイズは120インチ程度に留めておくのが賢明のようである。
というのも、例えばスクリーンサイズを150インチにまで拡大すると、nits換算で3000 ルーメンでは150程度、5000ルーメンでも250 程度の明るさに抑えられてしまうからだ(ゲイン1のスクリーンの場合)。
裏を返せば、今こそ画質のよいハイゲイン・スクリーンが求められているともいえるわけで、2017年はスクリーンメーカーのHDR対応を期待したいと思う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
8
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
9
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
10
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR